次世代高速通信規格5Gの商用化がいよいよ今春、始まる。超高速大容量、超低遅延・高信頼性、多数同時接続という特性を持つ5Gは民生用途・産業用途において様々な新サービスを創出すると期待されており、現在、様々な実証試験が行われている。5Gでは何ができるのか。特に地域課題の解決に重点を置いた総務省主導の19年度5G総合実証試験から、一部を紹介する。
試験では日高軽種馬共同育成公社に5Gネットワークを構築し、ドローンに搭載した8Kカメラで軽種馬のトレーニングの様子を撮影。高精細映像をリアルタイムで地上の8Kモニターに表示し、足運びまで鮮明に観察できることを確認した。また5Gエリア化した厩舎(きゅうしゃ)内に設置した8Kカメラの映像や、4Kカメラ4台の映像を合成したマルチアングル8K映像を5G伝送で8Kモニターに表示。これにより1頭の軽種馬の様子を4方向から観察し、育成状況や・健康状態の確認ができることを実証した。
大容量超高精精細画像のリアルタイム伝送は5G最大の武器。5Gにより画像が人の「目」以上の役割を担い、遠隔地での高度治療・診療や、クレーンの安全な遠隔操作など様々なユースケースを可能にする。
今春以降は5G利活用モデルの技術実証などが行われ、いよいよ地域課題の解決に向けいくつかのサービスが始まる予定だ。