家電その先へ IFA2019から

連載の内容は電波新聞DIGITALを参照ください

 SkyDrive(東京都新宿区)は、空飛ぶクルマ「SkyDrive」を紹介。一番の特徴は、飛ぶだけでなく陸上を走れること。

 空飛ぶクルマはアメリカや中国、イギリスでも実用化を目指しているが、「道路上を走れるものはない」(同社)という。大きさは世界最小サイズで、通常の自動車と同程度だ。

 今後は20年に最初のテストユニットを生産する計画で、機器のデザインやプロペラの位置などについて、IFA来場者からアンケートを取っていた。同社は「法的な課題はクリアしており、現在は無人の飛行実験を重ねている。年末には有人で実施する方針」と話す。

 20年にデモフライト、23年から国内で商品化する予定だ。まずは有人運転タイプを販売し、近い将来に無人の自動運転タイプの販売を目指す。

画像1
Shiftallのビール専用冷蔵庫は
インテリアになじむ木製調のデザイン

 Shiftall(東京都中央区)は、常にビールを切らさないでくれる、夢のような冷蔵庫を紹介。専用冷蔵庫とスマートフォンアプリを組み合わせたサービス「DrinkShift」だ。

 専用冷蔵庫はリアルタイムで庫内のビール残数を計測。冷蔵庫とサーバー側アプリが連動してビール消費ペースを学習し、ビールを切らさない最適なタイミングで追加のビールを利用者宅へ自動発送する。最大14本のビールを冷蔵できるが、同社の岩佐琢磨CEOは「ビール好きのドイツ人の来場者は『1日で全部飲んでしまう量だよ』と言っていた」と笑っていた。

 今後は「19年度中に国内でサービスを開始する予定。ほかの消耗品にも応用可能だが、まずはビール専門でスタートする」と話す。

 トリプル・ダブリュー・ジャパン(東京都千代田区)は、排尿のタイミングを知らせるウエアラブルデバイス「DFree」を展示した。

 四つの超音波センサーが内蔵されたセンサー部を肌に直接貼り付けると、膀胱(ぼうこう)の膨らみ具合を常時計測。専用アプリに尿のたまり具合を10段階で表示、排尿のタイミングで通知を送ってくれる。既にフランスを中心に欧州でも製品展開している。

画像1
ラングレスの犬用ウエアラブルデバイスは、
犬の心を色で表す

 ラングレス(東京都港区)は、犬の心を五つの色で表すウエアラブルデバイス「INUPATHY」を展示。

 世界初となるHRV(心拍変動)技術により、犬の心拍のリズムからリラックス、ドキドキ、ハッピー、興味、ストレスの五つの感情を判断して色で表現する。表示される色はスマホでも確認できる。装着時に犬の毛をそらなくても心拍を測定でき、犬の負担になりにくい。

 同社の藤松良夫ストラテジック・アドバイザーは「18年末から国内で販売開始し、約600台売れている。年内にはアメリカ、早ければ20年に欧州で販売開始予定だ。牛や猫などほかの動物への応用も検討している」と話していた。

画像1
ダイナミックマップ基盤は、
高精度3次元地図データを紹介

 ダイナミックマップ基盤(東京都中央区)は、自動走行用の高精度3次元地図データと活用方法を提案した。

 同社は3月末に国内の高速道路・自動車専用道の高精度3次元地図データ整備を終え、4月には北米の地図データ整備に大きな実績を持つ米Ushr社をグループ統合している。会場で紹介した同社のデータは、スムーズな自動走行には欠かせない技術だ。地図の誤差はわずか10センチメートルで、同社経営企画部の雨谷広道部長は「従来の誤差は今までは50、60センチメートルで、海外も含め他社ではない誤差範囲だ」と話す。

 雨谷部長は「欧州での紹介は今回が初めて。欧州ではこのような技術は珍しく、来場者が興味を持ってくれているのを感じた」と話した。

 このほか、ブロックチェーンとIoT技術を用いた電気自動車充電スタンド、コミュニケーションロボット、衣類型ウエアラブルを使ったモーションキャプチャシステム、世界最小・最軽量の脳活動測定装置など、参加企業は最先端技術を紹介。日本のイノベーションを世界に発信していた。