次世代高速通信規格の5Gネットワークインフラ市場は、20年には前年比89%増の42億ドルに達する見通しだ。米調査会社ガートナーのまとめによる。最新リポートでは、既に世界中の通信サービス事業者の7%が、5Gインフラを展開していると指摘する。
ガートナーによると、19年の世界の無線インフラ市場規模は359億2470万ドル。このうち、通信サービス事業者による5Gインフラへの投資額は22億1140万ドルで全体の6%である。20年には5Gインフラ向けが41億7600万ドルとほぼ倍増し、全体の12%を占めるとの予想だ。
5Gは既に韓国や北米、欧州の一部で商用サービスが開始されているが、19年は5G NRと4Gコアネットワークインフラを連携させるノンスタンドアローン(NSA)のサービスが提供されている。20年にはコアネットワークにも5G NRを採用する5G専用ネットワークでのスタンドアローン(SA)方式のサービスが提供される予定だ。
高速大容量通信、超低遅延、多数同時接続を実現する5Gは現在、コンシューマ向けのサービスがメーンとなっているが、今後は企業向けのサービスが拡大。スマートファクトリーや自動輸送、遠隔医療、農業、小売りなど、様々な産業分野での活用が期待されている。
また、通信機器ベンダーは、産業用途でのプライベートネットワーク(ローカル5G)も、潜在的可能性のある分野として期待。高い信頼性と性能を有し、安全な通信を実現するプライベートネットワーク構築のためのソリューション提供を目指している。
ガートナーは、5Gの導入が本格化することで、21年には5Gインフラ市場は前年比63%増の68億ドルに達し、全無線インフラ市場の約17%を構成すると予想している。