電子部品のグローバル需要の低調な推移が続いている。JEITA(電子情報技術産業協会)が3月29日発表した19年1月度の電子部品グローバル出荷額が前年同月比8.3%減の3260億円となり、3カ月連続で前年同月比マイナスとなった。スマホや産機向け部品の需要が低調だった。前年同月比の減少率は18年12月度の12.2%減からはやや改善した。
1月度グローバル出荷の分類別では、「受動部品」は前年同月比7.2%増とプラスを維持したが、「接続部品」が同15.8%減、「変換部品」が同24.0%減、「その他の電子部品」が同10.7%減と軒並み2桁の減少となった。
地域別では、米州は同12.6%増と前月に続いて高い伸びを示し、欧州も同2.5%増となったが、アジア・その他が同0.2%減、中国が同15.9%減、日本が同17.5%減となり、日本を含むアジア地域の落ち込みが大きかった。
製品別では、車載向け需要などが好調なコンデンサが同11%増となったほか、トランスが同1%増となったが、それ以外の品目は減少し、中でも音響部品やアクチュエータは3割を超える大幅なマイナスとなった。
電子部品のグローバル出荷額の前年同月比増減は、12年の6月から9月まで減少が続いたが、12年10月以降は、13年2月を除き、15年11月まで全てプラスで推移。15年12月からは16年11月まで12カ月連続で前年同月比マイナスが続いた。16年12月に13カ月ぶりに前年同月比プラスに転じると、その後は18年1月まで14カ月連続で前年同月比プラスを維持した。
18年の2月と3月は米アップルのスマホ旗艦モデルの生産減少なども影響し前年同月を下回ったが、4月には3カ月ぶりに需要が反転し、8月まで前年同月比プラスが続いた。その後は、18年10月を除き、前年同月を下回る推移となっている。
足元の電子部品需要は、米中貿易摩擦に伴う設備投資抑制や中国景気減速の影響から、18年秋以降、受注にブレーキがかかっている。特に、スマホ向けや産機・FA関連需要の落ち込みが大きい。
スマホ向け需要は、米アップルのスマホ新モデルの販売低迷や、中国系スマホの在庫調整が響いている。
産機関連需要は、設備投資抑制に伴うFA機器やデータセンター需要の低迷が大きく影響している。車載関連需要は比較的安定しているものの、中国や欧州での新車販売低迷などの影響も出始めている。
1月度の電子部品国内出荷額は前年同月比17.5%減の711億円と、3カ月連続で前年同月比マイナスとなり、前月比でも大きく減少した。