【ソウル支局】韓国で大規模半導体製造クラスタの建設計画が進行している。産業資源部は18日、首都ソウルから車で1時間ほどの京畿道龍仁(ヨンイン)市に、メモリー大手のSKハイニックスとクラスタ建設で協議中であることを明らかにした。期間は10年間、投資額は120兆ウォン(約12億円)に上るという。
産業資源部によると、半導体製造クラスタは前工程工場4棟のほか、製造装置・材料メーカー、半導体設計企業などエコシステムパートナー約50社を収容する。
投資の内訳や詳細は明らかになっていないが、SKハイニックスは19年に、土地の確保と地ならしなど初期費用として1兆6千億ウォンを投じる予定だ。
今回のプロジェクトは、低迷する造船や自動車、半導体など韓国の製造分野の競争力回復に向けた、政府による新産業政策の一環だ。
一例を挙げると、政府では現代(ヒュンダイ)など自動車メーカーと、燃料電池自動車向けの水素充電ステーションや電気自動車(EV)向け充電ステーションを韓国全土に建設する計画。これにより、次世代自動車市場で韓国自動車メーカーが主導権を握るための基礎を固めるとしている。
半導体分野では、中国のチップメーカーが巨費を投じてメモリーの巨大製造施設建設を進めており、近い将来、韓国にとって大きな脅威になることが予想される。
メモリー世界第2位のSKハイニックスは、今回の政府との共同プロジェクトについては認めているが、総投資額や投資時期は未定であると述べている。
同社は18日、京畿道利川(イチョン)市で、自社の300mウエハー対応新工場「M16」の起工式を行った。
20年に竣工の予定で、主にDRAMや3D NANDを製造する。敷地面積3万5千平方m。総投資額は15兆ウォンが見込まれている。