パナソニック、千葉工業大学

次世代ロボット掃除機を開発

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パナソニックAP社の本間社長

 パナソニックは、2021年までに全てのカテゴリの家電にAIを搭載し、知能化白モノ家電の本格普及を目指す(一部既報)。「家電がネットにつながり、家電とクラウド上でのAIでさらに賢くくらしをアップデートすることで、お客さまへの提供価値を高めていく」(アプライアンス社・本間哲朗社長)と話す。

 同社では、これからの100年に向けくらしアップデート≠新たな指標に掲げ、一人一人のくらし・体験に寄り添いながら、よりよい製品、サービスの提供を目指す。

 このうち家電については、AIやIoT、ロボット技術と融合して高度化させることで、個々の製品の機能向上にとどまらず、様々な機器やサービスと連携し、より安心・便利で豊かな体験を提供できるものへと進化させていく方針だ。

 今回、その第1弾となる商品として開発したのが、最先端のAI技術・自動操縦技術・ロボット技術を搭載し、高度な知能化に対応した次世代ロボット掃除機だ。

 今月3日まで東京・有楽町の国際フォーラムで5日間開催したクロスバリューイノベーションフォーラム2018の会場でコンセプトモデルを発表した。

  コンセプトモデルは、ディープラーニングで進化させた世界初の「AI床センサー」により、床上の物体を認識し、段差に応じて自動的に本体を持ち上げて走行を続ける。

【 全周囲を瞬時に認識 】

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千葉工大と共同開発した次世代ロボット掃除機

 千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)の高速空間認識技術「ScanSLAM」と、「360度レーザーセンサーシステム」を搭載。ロボット全周囲を瞬時に認識できる高度な知能を持つ。

 部屋の形状と同時に室内で動く人まで認識し、従来のロボット掃除機より一段上の環境認識能力を備えている。リアルタイムに空間を察知して地図を構築、走行位置を正確に特定して、家中隅々まで無駄のない動きで効率的な掃除を実現する。

 ScanSLAMによる正確な位置情報の把握と、自動車にも使われる最先端の自動操縦技術との組み合わせで、タブレット端末を用いて簡単に目的地を指定し、走行させることもできる。

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人について動く「otomo機能」も
搭載する賢い次世代ロボット掃除機
 ScanSLAMによる動体認識技術と、AIによる動き予測制御技術で人に寄り添うように追従する「otomo機能」も搭載。掃除してほしいところを歩けば掃除してくれる。

 先端AI技術のディープラーニングを用いて、複数のレーザー距離センサーの信号から床面上の物体を認識、ラグなどを検出。段差に応じて自動的に本体を持ち上げて乗り越え、つまずかずにスムーズに走行を続ける。

 充電台が見えない場所に本体が移動してもAI技術で常に帰る場所を把握しているため、迷うこともない。掃除が終わると走行スピードを上げ充電ステーションに戻る。

 ロボット技術により充電台にドッキングした本体を電動で縦置き状態につり下げる機能も実現、従来の横置き充電よりも省スペースを実現している。

 アプライアンス社の本間社長は、くらしアップデートの考えに基づき、顧客に寄り添い続ける今後の家電進化の一つとして「AI(頭脳)を持たせ、家電の知能化を進めていく」考えだ。

 スピード感を持った開発を重視し、今回の開発にあたっては3カ月の短期間で仕上げたという。大学との共創も進めながら「モノづくりの仕組みも抜本的に変えていく」ことで、家電の進化をさらに加速させる。今回開発した次世代ロボット掃除機は1年以内の商品化を目指している。