トーキンはノイズ抑制シート「バスタレイド」の事業を拡大している。ノイズ対策を施したい箇所に貼り付けるだけのノイズ対策部品の一種で、シンプルにノイズを抑制できる特徴が幅広い分野で高い評価を得ている。特に薄さを要求するスマホ向けなどで受注を伸ばしている。
バスタレイドは、ミクロンオーダーの金属磁性体粉末を樹脂中に分散・混合し、シート化した複合磁性体。電子機器から発生する高周波ノイズを効果的に抑制するシート状ノイズ対策部品。
シートは薄くて、割れにくいため、携帯機器への適応性が高い。しかも加工自由度が高いため、狭い箇所や複雑な形状への貼り付けなど、様々な用途に対応できる。
これまで、FPCを含めたプリント配線板への貼り付け、基板間への挿入をはじめ半導体デバイスのパッケージ表面や筐体への貼り付け、ケーブルへの付与、シールド開口部への設置――といった様々なケースで利用。さらにウエアラブル機器の充電ケーブル向けなどとしても実績を有している。
今後、さらに事業を拡大していくために製品ラインアップを拡充している。これまで高周波ノイズ対策で実績を伸ばしてきたが、現在ギガヘルツ帯向けとして、ロールタイプ「FG1」、高性能タイプ「EFG2」を品ぞろえ。いずれも環境負荷に配慮したハロゲンフリータイプで、10GHzまでのノイズ抑制効果を発揮する。無線通信などの受信感度改善対策として適している。
FG1は、厚み0.025ミリの薄型ロール対応。EFG2は、3MHzでの比透磁率が35という高性能タイプ。
自動車分野での搭載を視野に入れて開発した製品では難燃UL94V―0取得品を開発した。赤燐フリータイプ「EFA」、ロールタイプ「FF1」の2タイプ。環境負荷に配慮したハロゲンフリータイプで、自動車で要求される耐熱性を向上しているのが特徴。
また、RFID用バスタレイドとして「RM4A」をラインアップしている。有効キャリア周波数は13.56MHz。ループアンテナとその近傍金属の干渉を防止し、RFID通信距離改善に効果を発揮する。