パナソニック・京都大学
離れたところから複数の人物の心拍数と心拍間隔を計測可能な非接触ミリ波バイタルセンサーを開発
パナソニックは京都大学と共同で、離れた所から高精度に心拍数と心拍間隔を計測できる小型、高精度の非接触ミリ波バイタルセンサーを開発した。16年1月に開発発表した従来品に比べ10分の1小型化した。複数の人物を同時に計測する場合、互いに離れる必要がある距離をこれまでの7.5センチメートル程度を8分の1に縮めた。従来不可能だった複数の人物の心拍間隔を同時に計測できる。18年度に保育施設などで実証実験を行い、様々なアプリケーションの検討を進める。同センサーを複数個使用し、家まるごと、施設まるごとのトータルシステムの研究、実証も進める。
共同開発した小型、高感度の
非接触ミリ波バイタルセンサー
[引用元:京都大学 パナソニック株式会社]
パナソニックは京都大学と共同で、離れた所から高精度に心拍数と心拍間隔を計測できる小型、高精度の非接触ミリ波バイタルセンサーを開発した。16年1月に開発発表した従来品に比べ10分の1小型化した。複数の人物を同時に計測する場合、互いに離れる必要がある距離をこれまでの7.5センチメートル程度を8分の1に縮めた。従来不可能だった複数の人物の心拍間隔を同時に計測できる。18年度に保育施設などで実証実験を行い、様々なアプリケーションの検討を進める。同センサーを複数個使用し、家まるごと、施設まるごとのトータルシステムの研究、実証も進める。
パナソニック、京大が共同開発した非接触ミリ波バイタルセンサーは高感度スペクトラム拡散ミリ波レーダー技術と、特徴点ベースの心拍推定アルゴリズムにより、心電計相当の精度で心拍間隔をリアルタイムに計測できる。16年1月に開発発表した同センサーは周波数60GHz帯のプロトタイプ機を用い原理検証を行ったが、今回は79GHz帯とさらに広帯域の周波数を利用。ミリ波レーダーをCMOS半導体技術により1チップ化し、測定感度の向上、レーダーシステムの小型化を同時に実現した。
79GHz帯の広帯域レーダーを用いることで、これまで約60センチメートル間隔で信号を捉えていたのを約8分の1の7.5センチメートル幅で細かく分解した。これにより1台のレーダーでノイズが少なく、複数人の心拍間隔を同時計測することができた。ミリ波レーダーは衣服などを透過するため、着衣時や就寝時にかかわらず、呼吸や心拍、心拍間隔を常時モニターできる。心拍間隔の変動から自律神経機能の状態を推定することで、家庭やオフィスにおける人々のストレスを自然な状態で測定できる。測定データを用いた様々な応用サービス、システムの展開が期待される。レーダーセンサーの小型化によって天井、壁などへの埋め込みや、エアコン、照明器具などへの組み込みが可能になり、大幅なコストダウンも期待できる。