慶応義塾大学理工学部システムデザイン工学科の野崎貴裕助教は、同大先導研究センター・ハプティクス研究センター、シブヤ精機(浜松市東区、渡辺英勝社長)と共同で軟弱果実の取り扱いが可能なロボットハンドシステムの開発に成功した。
同システムは腐敗した柑橘を除去する選果ロボットで、紫外照明と白色照明を合わせた独自のマシンビジョンにより、果実の大きさ・位置・腐敗度・傷の度合いを測定。
高精度力触覚技術であるリアルハプティクス技術を搭載したロボットハンドによって柔軟で確実な把持を実現した。極度に腐敗が進行した軟弱な果実でもつぶすことなく正確、迅速に取り扱うことが可能。衛生的な選果ラインの維持と選果作業の省人化、処理能力の向上が期待される。
今後は柑橘の腐敗果を除去するだけでなく、イチゴや桃・トマトなどの選果・選別から箱詰めまで一連の作業を自動化・省人化するロボットシステムや、弁当や総菜の製造ラインへの適応など幅広い応用展開を見据えて研究開発中。さらに農産物の収穫や調整など、より複雑でソフトな取り扱いが必要な作業への展開も検討する。
同システムは、来月3日から開かれる「CEATEC JAPAN2017」に出展予定。