暮らしのIoTサービスの実現を目指し、業界の垣根を超えて7月25日に設立した「コネクティッドホーム アライアンス」は14日、新たに47社の企業が参加し、77社の企業で活動を本格化したと発表した。設立当初はICTや不動産企業などが中心となっていたが、新たに自動車や食品、メディア、ガス、電気などの幅広い業界の企業が加わり、住環境などにおける幅広い分野でサービス連携できるよう活動をしていく。
アライアンスは多種多様な業界のリーディングカンパニーが垣根を超えて連携することで、豊かな住環境を創造する暮らしのIoTの実現を目指し設立した。
同日、東京都内で設立会見した全体デザインを手がけるフラワー・ロボティクスの松井龍哉代表は「アライアンス設立の目的は、コネクティッドホームをつくる複数の企業の壁を取ることに尽きる」と強調。20年に向けて、業界の垣根を越え各社のデバイスが相互につながる世の中を目指していく。アライアンスでは、産学官が一体となった技術研究とサービス開発をするとともに、コネクティッドホームの技術に関する情報共有、コネクティッドホームの認知と普及促進を図る。
特別顧問の東京大学生産技術研究所・野城智也教授は「IoTを使ったコネクティッドホームの実現には、様々な企業が開発した製品やサービスがつながらないといけない。大企業だけでなく中小も含めて幅広い企業に参加してもらいたい」と話す。
スタート時には具体的に「住まい」「オープンシステム」「データ活用」の三つの研究会で課題を洗い出し、具体的なサービスの創出につなげていく。「住まい」では家の中や家とほかとの連携サービスのなどの研究を進め、「オープンシステム」ではサービスなどの技術連携とセキュリティ対策について議論する。「データ活用」ではデータ分析の活用方法やプライバシー保護について検討する。
アライアンスの中心となる東京急行電鉄の市来利之取締役常務執行役員は「日本を代表する多くの会社が連携することで世界に誇るジャパンクオリティの暮らしのIoTを実現できる。限りなくオープンで取り組み、単なる勉強会ではなく実証実験や新たなサービス開発、需要の掘り起こしをしていきたい」と述べた。
パナソニックシステムソリューションズジャパンの奥村康彦・取締役専務執行役員は「今後は社会や街とのつながりが重要になる。生活サービスの実現と普及には異業種のトップ企業との連携が必須。サービス検証を通じ生活を豊かにするサービスの実現を目指したい」と強調。美和ロックの和氣英雄社長は「鍵とスマホが融合することで多くのことができるようになる。人々の安全と安心、心温まる家庭の実現を目指していく」などと期待を示した。