携帯機器・車載機器

高まる音質向上ニーズ

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スマホや車載機器で音声ライン用
ノイズ対策部品の需要が伸びる
 音声ライン用ノイズ対策部品の新製品が相次いでいる。音声ラインでは放射ノイズを抑制するだけでなく、音質を損なわないノイズ対策部品のニーズが高まっている。スマホをはじめとする携帯機器や車載インフォメーション機器向けといった成長分野への提案に取り組む動きが目立っている。

 携帯機器や車載機器などでは、ディスプレイにおける画像の高精細度化の技術開発が活発化しているが、最近では音質向上を同時に実現しようとの動きも目立っている。そのため、音声信号の歪みを抑制するためのノイズ対策部品の需要が伸びている。

 TDKはオーディオラインに挿入した際の音声信号歪みを業界最高水準にまで抑え、セルラー帯のスプリアスレベルを従来比で最大50 デシベル 抑制したノイズ除去フィルタ「MAF1005Gシリーズ」を開発した。

 スマホ、タブレット、ポータブルゲーム機などのイヤホン、マイク、スピーカといった音声ラインの輻射ノイズ対策は、一般的にチップビーズなどのノイズ対策部品を挿入することで行われている。しかし、対策部品の挿入により音声帯域の信号品質の劣化や、セルラー帯域のスプリアス発生により各種ノイズ規制をクリアすることの両立が難しくなっている。

 同シリーズは、1005サイズと小型でありながら、セルラー帯の高減衰特性を実現し、輻射ノイズ対策やスプリアス抑制に最適。独自に開発した低歪みフェライト材料を使用し製品の設計を最適化することで、ノイズ除去部品の挿入弊害だった音質劣化を、ノイズ除去部品を挿入しない時と同等にした。

 村田製作所は、音質に影響を与えずに放射ノイズを除去する音声ライン向け用途特化型積層タイプノイズフィルタ「NFZ18SM─SZシリーズ」に、初めて車載インフォメーション機器対応品を追加した。

 車載インフォメーション機器の音声ラインでは、放射ノイズを抑えるだけでなく、音質を損なわないこともノイズ対策部品の必要条件。そのため、音質を検証した音声ライン向けに用途を特化したノイズ対策部品が必要。

 同社の製品は、1608サイズで1Aを超える大きな定格電流を実現。従来のノイズ対策部品と比較して、音質の指標THDプラスN特性を大幅に改善している。