スマホの世界需要は、最近は普及一巡に伴い、これまでと比較すると成長率がやや鈍化傾向にあるが、中国でのLTE買い替え需要や成長が続くインド市場、アフリカなどの新興市場での新規需要増加もあり、16年も成長の継続が見込まれている。特に16年後半は、9月頃の発売が予想される米アップルの新モデル立ち上げや、韓国サムスン電子のスマホ生産復調、中国系勝ち組端末メーカーによる高級機や海外輸出モデルの生産増大が電子部品需要を活性化していくことが見込まれている。
ノートPC/タブレット端末は、最近は成長が鈍化しているものの、代表的なモバイル端末として重要視される。端末の薄型・高機能化や高速伝送化の進展が、高付加価値部品需要を押し上げることが期待される。
最近は、画面自体を折り曲げ可能な有機ELディスプレイパネルを搭載し、使用シーンに合わせてタブレットとしてもスマホとしても使用できるフォルダブル端末の登場も予想されるなど、さらなる技術の進化が予測されている。
ウエアラブル端末も、新たな大型アプリケーションとして、部品各社の期待が高い。ウエアラブル端末の爆発的普及期がいつになるのかはまだ不透明だが、同端末を専門に手がけるベンチャー企業は国内外で着実に増加し、端末開発にしのぎを削っている。
このため、部品各社はスマートウオッチを軸に、同端末市場に照準を合わせた超小型部品開発や拡販活動強化に努めている。
電子部品各社の営業活動面では、最近は勝ち組とされる中国系有力スマホメーカーへのデザインイン活動に一段と力が注がれている。
特に、昨年後半以降、中国系スマホメーカー同士の優勝劣敗傾向が強まる中で、業績が絶好調とされるファーウェイ(深セン市)、OPPO(東莞市)、Xivi(同)などへのアプローチが重視されている。加えて、米系や台湾系半導体企業が中国系メーカーに提供するリファレンスボードへの部品承認活動にも力が注がれる。
通信インフラ関連では、20年頃からの実用化が予想される5Gシステムに照準を合わせた高速・高周波関連部品の開発も活発化している。
さらに、IoT市場の広がりに向け、無線モジュールと超小型センサーの組み合わせ提案などに力が注がれる。各社はエネルギーマネジメント関連や社会インフラ、道路交通インフラ、医療/ヘルスケアなど多様な分野でのIoT活用拡大に照準を合わせ、戦略的な事業活動を展開する。