直流超電導送電試験に成功

世界最長級、500メートル達成

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データセンターへ電力を供給する太陽光発電施設
 住友電気工業、千代田化工建設、中部大学、さくらインターネット4者で構成される石狩超電導・直流システム技術研究組合(横浜市神奈川区)は、世界最長級となる500メートルの直流超電導送電試験に成功した。

 超電導送電は、極低温にすると電気抵抗が0となる超電導体を用いて行う送電で、送電ロスの低減や送電容量の増大が可能となる。

 絶対0度(マイナス273度)付近の極低温ではなく、マイナス196度の液体窒素温度の比較的高温で超電導となる材料の開発が進み、実用化に向けた研究開発が世界的に進められている。

 同研究組合の高温超電導直流送電システムは、経済産業省の委託事業で北海道石狩市石狩湾新港地域に設置。

 直流電力の実需用を持つ石狩データセンターと太陽光発電間および特殊試験設備での送電を行うことで、実用化に向け様々な課題を抽出し、世界に先駆けて次世代送電システムの実用化を目指す。

 今回の試験成果は(1)約3万世帯分の電力に相当する5kA、100MVAの送電能力を確認(2)国内初となる公道に超電導ケーブルを埋設(3)新配管構造の採用により送電の熱損失を従来の約2分の1、液体窒素の循環の損失を従来の約4分の1を達成。

 今後、1千メートルの長距離化の実証試験に向け検証を行う。