電子部品、一段と超小型化進む

  スマホの薄型・高性能化やウェアラブル端末などに対応

 電子部品の超小型化が一段と進んでいる。スマホの薄型・高性能化は、搭載部品への一層の軽薄短小化を求めており、今後の市場本格化が期待されるウエアラブル端末では部品の超小型化技術の一層の進化が求められる。電子部品メーカー各社は、これらの次期ニーズを先取りしたR&Dを加速させ、超小型・高性能部品技術での差異化を推進する。

 回路部品

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【写真1】部品の小型化が加速する(左から0201、
0402、 0603サイズコンデンサ 〈太陽誘電〉)  

 スマホからウエアラブル機器へとモバイル機器の小型、軽量化が進展するのに伴い、回路部品の小型化技術が活発化している。
 積層セラミックコンデンサ、インダクタ、抵抗器などは、0603サイズ、0402サイズの採用が進んでいる。
 ウエアラブル機器ではさらに基板面積が小型化。そのため、次世代チップの開発が活発化している。現在、0.25×0.125×0.125ミリの0201サイズを実用化する動きが活発化してきた。すでにセラミックコンデンサ、インダクタ、抵抗器、フェライトビーズなどで0201サイズが開発されている。0402サイズに比べて体積で約75%の小型化が可能となる。
 雷サージ対策のバリスタ、温度センサーとして搭載されるサーミスタなども0402サイズまで極小チップ化している。水晶デバイスをはじめ、SAWデバイス、積層誘電体フィルタといった高周波デバイス、さらにはDC―DCコンバータで搭載されるパワーインダクタなども小型、低背化技術が大きく進展している。

 接続/変換部品

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【写真2】 外形サイズ2.5×1.6×高さ0.55ミリ 
メートルの超小型タクティールスイッチ(ミツミ電機)

 接続部品は、スマホ/携帯電話向けに、機器内部接続用コネクタの低背・狭ピッチ・省スペース化追求が一段と進んでいる。スマホで多用される基板対基板コネクタは、0.4ミリピッチでコネクタの低背化が進み、0.4ミリピッチ・高さ0.5ミリメートル品などが開発された。0.35ミリピッチ基板対基板コネクタなども投入され、需要が本格化している。FPC接続用コネクタは、0.3ミリピッチ品のバラエティ拡充に加え、0.2ミリピッチ品の投入が進んでいる。カード用コネクタでは、厚さ1.15ミリメートルと超薄型サイズのナノSIMカード用コネクタや、実装高さ0.69ミリメートルを実現したマイクロSDカード用コネクタなどが製品化されている。
 スイッチも、軽薄短小かつ高強度・長寿命を兼ね備えた超小型スイッチの開発が進展。スマホ用に、実装高さ0.85ミリメートルの基板落とし込みタイプタクトスイッチなどが開発されている。
 変換部品は、スマホ用MEMSマイクの超小型化と高音質化の両立に向けた技術開発が進む。

 無線通信モジュール

 スマホやウエアラブル端末などの小型機器向けに、無線通信モジュールの小型化が進んでいる。ブルートゥースモジュールでは、外形サイズが4ミリメートル角以下の超小型モジュールなども開発された。最近は、ブルートゥースの新たな低消費電力規格「ブルートゥース・ロー・エナジー」に対応したブルートゥーススマートモジュールが投入され、スマホ用アクセサリーや腕時計など、新たな 用途への無線モジュール搭載が進展している。
 各社は、無線モジュールの超小型化に向け、高機能基板への部品内蔵、微細チップ部品による両面実装、高密度解析技術や構造評価技術などを駆使し、パッケージング技術を追求する。

 センサー

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【写真3】 外径サイズ2.0×2.0×高さ1.0ミリ
メートルの静電容量方式デジタル湿度センサー
(アルプス電気)
                      

 スマホの薄型・高機能化に照準を合わせた、超小型デジタル出力センサーの開発が加速している。急速に小型化が進むスマホ用地磁気センサーは、3軸地磁気センサーのパッケージサイズの主流が1.2ミリメートル角に移行。さらに、1.15ミリメートル品も開発され、今後、搭載が本格化していく見通し。同時に、高密度実装化に対応するため、6軸タイプ(3軸地磁気プラス3軸加速度)などの多軸製品開発も加速している。
 スマホ用気圧センサーは、外形サイズ2.5ミリメートル角のデジタル気圧センサーなどが開発された。このほか、2.0ミリメートル角サイズの静電容量式デジタル湿度センサーなど、超小型・高精度のデジタル出力センサーの開発が活発化している。