アルミ電解コンデンサにおける産業用インバータ向けの新製品開発が相次いでいる。インバータは、産業機器の小型化、省エネ化を推進する目的で市場が拡大。インバータでは入出力の平滑用コンデンサとして小型、大容量、高リプル、長寿命のアルミ電解コンデンサの需要が伸びている。各社ではアルミ箔、電解液をはじめとする主材料の開発から組み立てまで、最新技術を使って具体的な用途に最適設計の新製品を相次いで市場に投入している。
日本ケミコンは世界で初めて定格電圧700Vのねじ端子型アルミ電解コンデンサ「RHBシリーズ」の量産をケミコン福島で開始した。
超高耐圧、大容量化を実現した自社開発のアルミ電極箔を採用。電解液も独自の高耐圧化技術を用いて、800V以上まで絶縁破壊電圧を高めた。さらに構造面では高耐圧化と信頼性の両立のための特殊内部構造に設計した。
同社はこれまで、量産モデルとしては650Vが最高電圧だった。今回、700Vまで高耐圧化したことでインバータでは直列接続本数を削減することができ、しかもバランス抵抗の個数削減、筐体の共有化が可能になるなどのメリットがある。サイズは63・5φ×105―89φ×135ミリメートル。
ルビコンはねじ端子型アルミ電解コンデンサで、高リプルタイプ「LSCシリーズ」と長寿命タイプ「LSAシリーズ」を開発した。
LSCシリーズは、リプル電流による発熱に対する耐性設計と発熱を抑制する設計を融合させることで、容量当たりのリプル電流が業界トップクラスの従来品「LSGシリーズ」との比較では約60%の高リプル化を実現した。
LSAシリーズは、最高使用温度85度設定品で業界トップクラスの規定寿命(従来品「LSUシリーズ」)との比較で、4倍の長寿命化を実現した。