薄型化が進むチップ部品

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厚さがわずか0.11mmの積層セラミックコンデンサ

厚さ0.11ミリの積層セラコンなど開発

 チップ部品の薄型化技術が進展している。スマホやウエアラブル端末など、小型.薄型化が求められる機器に搭載される半導体パッケージや部品内蔵配線板、各種モジュールなどに内蔵するため、より薄型化が求められていることに対応。コンデンサ、抵抗器などの主要各社では、汎用サイズの市場価格が下落していることから、高付加価値化戦略として取り組みを強めている。

 主要各社は積層セラミックコンデンサの最薄タイプとして、0.15ミリ品を開発、量産してきた。しかしながら、機器の薄型化や多機能化などに伴って部品の実装面積は小さくなっており、基板の上に実装する従来の方式ではなく、ICのパッケージ内やその裏側、さらには基板に内蔵させるなど、一段と実装の高密度化が求められている。

 太陽誘電は、新たに1005サイズで、厚みがわずか0.11ミリメートルという世界最薄の積層セラミックコンデンサを開発した。材料技術やシート薄膜技術を高度化することで、1月に開発した0603サイズの厚み0.15ミリ品に比べて約26%薄型化した。

 静電容量は6.3V定格で0.22μFをカバー。温度特性はX5R。

 玉村工場(群馬県玉村町)において、月産1千万個体制で量産を開始している。

 チップ抵抗器は、0603サイズの厚みが0.23ミリメートル、1005サイズの場合、同0.35ミリメートルが汎用の厚み。積層セラミックコンデンサと同様にモジュール、部品内蔵基板などへの組み込みを容易にするために、薄型化への取り組みが活発化している。

 KOAは、銅めっき接続方式に対応した基板内蔵用厚膜チップ抵抗器を開発した。製品サイズは1005サイズおよび0603サイズで厚みを0.14ミリメートルに薄型化。汎用のチップ抵抗器と同等の電気的特性を維持しつつ、薄型化し、ビアめっきとの高い接続信頼性を実現する銅端子電極を採用している。

 また、同社では携帯電話などの高周波モジュール向けに、製品厚み0.14ミリメートルの基板内蔵用高周波インダクタの開発にも取り組んでいる。