液晶ディスプレイ、次世代照明、進む技術革新
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 液晶ディスプレイはバックライトにLEDの採用が急速に広まり、薄型化・低消費電力化が進んだ。照明は白熱電灯・蛍光管からLEDへの転換が、省エネルギー化の動きに連動して急速だ。さらなる高性能化に向け、有機EL(エレクトロルミネッセンス)や酸化物半導体など、新しいデバイスの開発も活発。これら装置の小型化・高性能化のため、抵抗器などの周辺回路を構成する部品は小型化、高耐熱、長寿命化の開発が盛んである。

ディスプレイの動向
ディスプレイは、液晶やプラズマによる薄型化・大型化が究極まで進んだ。電子書籍に搭載される電子ペーパーも低消費電力、高精細などの性能改善を図った製品が提供されている。現在も、性能向上への研究開発が盛んで、スマートフォン用の小型からタブレット、PC、電子書籍、TV、業務用モニター、デジタルサイネージ、パブリックビューイング用の大型まで多種の新製品が提供されている。

製品の開発動向は、大きく分類して「高精細化」、「色再現性の向上」、「低消費電力化」、「裸眼3D」などがある。 高精細化では現在運用されているハイビジョンTV(垂直方向走査線1080×水平方向画素数1920)から、縦横とも4倍の高精細を誇るスーパーハイビジョン対応のディスプレイが研究開発されている。

色再現性の向上では、従来の赤緑青の三原色にさらに黄色を加えたり、赤の発色をよくするため赤をLEDからレーザーに変えるなどの製品が提供されている。

低消費電力化では自発光の有機ELや全く新しい素材である透明化合物半導体(IGZO)などの製品化が進んでいる。

3Dでは家庭用の他に、医療用など産業機器でも高精細でユーザーフレンドリな製品の需要が多い。これに応えて、専用メガネ不要な3Dディスプレイの製品が開発されている。

次世代照明の動向
次世代照明として有機EL照明の早期実用化に向けた技術開発が加速している。有機ELは、既にスマートフォンなどの端末ディスプレイ用で量産が始まっているが、今後は照明用途での本格的な実用化が見込まれ、照明メーカーや素材メーカーによる課題解決のための技術開発が進展している。

有機EL照明の技術的課題として、光の取り出し効率や輝度ムラの問題などがあるが、最近はこれらの解決に向けた技術開発が進み、高い発光効率と低コストを両立した有機EL照明用材料開発が加速している。

有機ELの発光材料は、第1世代の蛍光材料に加え、最近は、りん光材料の開発が進み、第3世代材料開発も進んでいる。有機ELデバイスの製造技術では、従来の真空蒸着に加え、塗布技術の応用も進む。材料各社は有機EL照明市場の早期本格化に向け、新たな発光材料開発や製造技術開発を進めており、有機EL照明の高輝度化や素子の長寿命化、低コスト化などへのイノベーションに全力を挙げている。

発光材料は、照明用で求められる60ルーメン/W程度の発光効率をターゲットとした技術開発に力が注がれ、既に一部企業では、50ルーメン/Wクラスの発光効率を実現したサンプル展開も始まている。

素子の発光効率向上では、独自の構造技術による光の取り出し効率向上などに力が注がれている。同時に、りん光材料の塗布性能向上や素子の長寿命化などに力が注がれる。

有機EL照明用フィルムでは、デバイス構造の工夫により効率良く光を取り出せる研究などが進められ、有機EL照明の輝度向上が追求されている。同時に、表面に傷がつきにくいタイプ、色むらの解決に向けたフィルム開発が進む。

有機EL照明市場の本格立ち上がり時期は14年から15年頃とみられ、早期実用化への技術革新が期待される。

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抵抗器の動向
電子機器の進化に伴い、抵抗器技術の高度化が進展している。スマホ等のモバイル機器向けに超小型チップ抵抗器の一層の微細化が進展するとともに、基地局などのインフラ需要に対応した高周波抵抗器技術の高度化も進んでいる。

携帯端末用のチップ抵抗器は、高密度化に対応するため、0603サイズへのシフトが進展。0402サイズ品の採用も活発化している。次世代ニーズに照準を合わせ、0.3×0.15ミリメートルサイズ品の開発・製品化に乗り出すメーカーもみられる。

自動車ECUや工作機械などの分野向けでは、耐硫化型チップ抵抗器や高電流対応の耐サージチップ固定抵抗器などの製品化が進んでいる。一方、リードタイプ固定抵抗器も、太陽光発電/風力発電、EV/HEVなどの環境・省エネ分野でのDC―DCコンバータやインバータなどに対応したパワー抵抗器の技術開発が進んでいる。