デジタル家電や自動車などに加え環境・エネ関係分野が出現 

センサー 用途拡大、新製品の開発加速
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 各種センサーの用途が拡大している。デジタル家電、情報通信をはじめ、FA・制御、自動車などに加え、新たに太陽光発電、LED照明、エコカーといった環境、エネルギー関連といった成長分野が出現した。センサーメーカー各社事業は、新しい需要分野で信頼性、安全、高機能化、高精度化などの新製品開発を加速しているのに加え、モジュール化、ユニット化に展開するなど、トータルソリューションを積極的に提案する。

センサーネットワーク開発活発化
 環境、エネルギー関連分野でスマートグリッドの普及に期待が高まっている。その一環としてスマートハウスやスマートビルなどの構築に向けてセンサーネットワークの開発が活発化してきた。

 スマートハウス向けセンサーネットワークシステムでは、センサーが検知した情報をZigBee・Gatewayで収集し、Wi−FiやEthernetを介してインターネットやタブレット端末に送信することができるシステムとしての開発が進む。センサーや通信の技術を組み合わせることによって実現するもの。このソリューションを活用することで、エネルギーを効率的に使うことや、高齢者の暮らしを見守ることなどが可能になる。
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 地震対策などのためには圧電振動センサーが開発された。極めて高感度(最小検知加速度は0.003m/S2)で、非常に幅広い振動(10Hz−15kHz)を検知できる振動センサー。感度は従来品の20倍で、人の脈ほどの小さな振動も捉えることができる。機器の異常検知、生産設備の不具合予知検知、防犯、建物・水道管などの摩擦ひび割れ音検知なども可能。

 節電などに対しては、焦電型赤外線センサーが開発された。焦電効果(誘電体に赤外線があたると温度変化によって電荷が生じる現象)によって赤外線を検知するセンサー。小型で高感度、耐ノイズ性を高め、表面実装化。人の動きを検知することでテレビやモニター、エアコン、LED照明の節電などに貢献する。

 様々なセンサーを搭載する自動車分野ではEV、HEVなど、電子化の進展で、さらにセンシング機能が高度化している。特に温度センサーとしてサーミスタの新製品開発が活発化。これまでのガソリン車の用途に加え、EV、HEVでは、モーターの過熱保護用や電池保護用など、新たなアプリケーションが出現。また、排気ガス関連の対策に絡んで、300℃以上の高温度まで検知するアプリケーションもあり、900―1000℃対応の高温度対応センサーが開発された。

 最近では、EPSモーター用にHDD用磁気ヘッドのTMR(=トンネル磁気抵抗、Tunnel Magneto Resistance)技術を応用したTMR角度センサーが開発された。引き続き、TMR技術を使って回転センサーや電流センサーなどの開発が期待される。

 この新技術は、極薄の絶縁膜(バリア層)を挟んだ2つの磁性層の磁化方向が同じときに抵抗値が下がり、逆方向にときに抵抗値が大きくなるTMR効果を角度センサーとして利用したもの。

 測定範囲は0―360度。AMR、GMRをしのぐMR%によって、1.5V、3Vの高出力を達成。さらに角度誤差は0.2度以下と高精度を実現している。また、低消費電力、優れたSN比、素子形状の小型化が容易なことから、小型パッケージを特徴としている。

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モバイル機器向けも新製品開発活発化
スマートフォンやタブレットPCなどのモバイル機器向けセンサーの新製品開発も一段と活発化している。MEMS(微細加工)技術を使ったセンサーとして、3軸加速度センサーや手振れ防止機能のジャイロセンサー、圧力センサー、気圧センサー、フォースセンサーなどが商品化されている。
MEMS技術で使用されるウエハーは、シリコンが一般的だったが、最近では水晶をウエハーとして利用するケースが出現。

スマートフォンやデジカメなどの電子コンパス用3軸地磁気センサーは、出力ノイズを低減し、方向精度の向上とキャリブレーション時間の短縮が可能になった。磁場測定範囲は±1.2mTを達成している。

さらに、高透明度有機圧電フィルムを用いたセンサーが開発された。圧電出力定数が大きい、透明度が高い、焦電性を持たないという特徴を持ったフィルムで、ねじりを検出することも可能なことから、変位センサー、タッチパネルなど、さまざまなヒューマンマシンインターフェイスへの応用が期待されるもの。