パソコン、各種周辺機器をはじめ、携帯電話など各種モバイル機器、テレビなどデジタルAV機器、産業機器などの機器間を結ぶインターフェイスとして普及している「USB」(Universal Serial Bus)。2009年から新たな規格「USB3.0」が実用化され、同規格を実現する半導体、電子部品などが続々と開発、発売されている。
USB3.0の最大転送速度はUSB2.0ハイスピードモードの10倍以上となる毎秒5Gピット。この速度は、約70秒でBD1枚分のデータを転送できる速度。USBの大きな特徴である供給能力も向上しUSB2.0の最大500mAから最大900mAに向上している。
USB3.0では、コネクタ信号数が増えたため、接続コネクタの形状が変わった点も特徴。ただUSB3.0コネクタには、USB2.0ケーブルが挿入可能な「下位互換性」を持っている。
大容量ストレージ、高解像度動画などリッチコンテンツの普及が進む昨今のニーズに対応するUSB3.0を実現する制御LSI、コネクタ、ケーブルなどデバイス、コンポーネンツが開発され、USB3.0に対応したパソコン、周辺機器の普及拡大が始まっている。
パソコンのUSB3.0ホスト制御機能が搭載されるとみられる2012年以降には、普及スピードが飛躍的に上がり15年までにUSB2.0に代わる存在となると見られている。
また同時に、パソコン以外のテレビやゲーム機、携帯電話などにUSB3.0ホスト機能搭載も進んでいく見込みだ。
周辺機器・デバイス側に向けたデバイスの供給も始まっている。デバイスコントローラIPが発売され、各種SoCへの搭載が進むほか、主に外付けハードディスクドライブ向けにUSB3.0-SATAブリッジLSIなどが量産されている。
また、USB3.0でPCと接続するタイプのHDMI出力対応キャプチャボードや、USB3.0対応高解像度カメラなども発売され、ストレージ以外のUSB3.0応用事例は増えつつある。