スティーブ・ダグラス副社長
米ザイリンクスは22日(現地時間)、28ナノメートルプロセスによる次世代FPGA技術基盤(プラットフォーム)の構築を発表した。新プラットフォームでは、前世代品に比べてスタティック消費電力の50%削減をはじめ、革新的なアーキテクチャ使用で、さらにダイナミック消費電力を20%削減。総消費電力を半減しながら、最大集積度を従来の2倍に拡大することに成功した。
28ナノプロセスによる最初のデバイスの供給は10年第4四半期(10―12月)を予定。量産開始は11年末から12年初頭を予定。デバイスのファミリーネームは未定。アーキテクチャの詳細も含め今年後半に発表する。
大規模FPGAの総消費電力の大部分を占め、その削減が重要度を増しているスティック電力の低減に着目、同等クラスのFPGAに比べ50%削減。一方で次世代開発ツール使用で革新的なクロック管理を実現し、ダイナミック消費電力を20%低減した。
28ナノメートル世代のプラットフォームにおいては、ハイ・パフォーマンスとハイ・ボリュームの両分野に関するアーキテクチャを統一した。ユーザーのIPコアライブラリを継承、同社が準備するリファレンスデザインを使用できる。
これにより拡張性を高め、ユーザーの製品開発、市場展開への投資削減に貢献する。現在、量産出荷中の65/40ナノメートルプロセスの半導体ファウンドリはUMCだが、28ナノメートルプロセスについては、パートナーとしてTSMCとサムスン電子を選択した。
近年、半導体を取巻く新しい市場トレンドで、ASICの設計・製造コストの高騰、製品(セット)サイクルの短期化加速などを背景に、製品設計者がASICやASSPの代替品として設計者が現場でプログラムを変更可能なFPGAに目を向けるようになってきた。同社は、こうしたトレンドを「プログラマブル・インペラティブ」(プログラマビリティの必然)とする。
先週発表された09年度(10年3月期)第3四半期(10―12月)の売上高は前年同期比12%増、四半期ベースで過去最高を記録している。
製品開発担当のスティーブ・ダグラス副社長は「カスタマーの要望とザイリンクスのロードマップがうまく機能してきた。取り組んできた製品開発の成果が今回の高性能と低消費電力を両立する28ナノメートル新プラットフォーム実現に結びついている」と自信を語る。