◆3軸加速度センサー 最近、MEMS(マイクロマシン技術)を使ったセンサーが各種登場している。この技術は半導体リソグラフィを応用し、センサーのメカニズム(機械)部分を微小製作するもの。加速度センサー、角速度センサーなど、従来の技術で作ると大きくなるセンサーを小型化することが可能になる。この技術はシリコン基板を使うことから、センサーの信号検出回路やインターフェイスを作り込んだり、1つのパッケージに組み込んでモジュール化することも容易にできる。
◆角速度センサー 松下電子部品は、業界最小形状を実現したカーナビ用MEMS角速度センサーを製品化している。 このセンサーは進行方向を検出するもので、同社独自技術開発による超小型音叉振動子と、従来に比べ外付け部品を削減したデジタル調整機能内蔵の専用ICと小型と信頼性を両立するパッケージ構造により、9.88×11.2×7.6mmの最小サイズを実現した。これにより実装面積の削減ができ、システムの小型・多機能化に貢献する。 ◆ジャイロセンサー セイコーエプソンは、日本ガイシと共同で世界最小サイズの振動ジャイロセンサーを開発した。 この製品は、カメラの手ぶれ補正システム用として最適に設計された超小型の角速度センサーで、新開発のジャイロ素子に単結晶の水晶を使用することにより、従来にない高安定特性を実現した。さらに独自の水晶微細加工技術、低消費電力アナログ回路技術、パッケージング技術により駆動回路内蔵型では5.0×3.2×1.3mmと世界最小サイズを実現した。これを用いることで高性能手ぶれ補正機能を持つ小型デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話などが実現できる。
◆指紋認証センサー アルプス電気は高まるセキュリティのニーズに対して小型、薄型化し、おもに携帯電話、ノートPCなど携帯情報機器に向けた指紋認証センサーとして感圧フィルムタイプと透明エリアタイプをを開発している。 感圧フィルムタイプは独自のプロセス技術により、指紋の凹凸をセンシングするため、2層の電極を高感度でフィルム上に形成、これにより0.19mmの薄型化(IC除く)を実現した。この方式は水濡れに強いため指の乾燥の影響を受けにくく、より過酷な条件下で使われる携帯電話などで使用できる。また、セット側ではフィルムのフレキシブル特性により曲面でのデザインが容易である。用途はカード型薄型デバイス、携帯電話、ノートPC、PDAなど。 透明エリアタイプは、これも独自のプロセス技術で静電センサーを透明基板上に形成することにより、光透過構造を実現した。センサー部が光透過構造の指紋認証センサーの製品化は世界初。 センサー部を光透過構造にすることで、セット側ではこの製品をLCDの上に重ねて画面表示と組み合わせる設計が可能となり、多彩なアプリケーションを複合できる。また、透明エリアタイプは同社がグライドポイントで培った技術を応用し、指紋認証機能だけでなく指でなぞることによるポインティング機能と複合でき、用途を広げることができる。用途は携帯電話、PDAなどのこ型携帯情報機器。
◆FTセンサー(フェザータッチ センサー) アルプス電気が開発したFTセンサーは、指で滑るようにふれることにより操作する「フェザータッチインプット」を実現した新しい入力機器。このセンサーは、独自のフィルム基板印刷技術により、感圧センサーをフィルム上に形成し、これを独自の組み立て技術と加工技術により指になじむ特殊シリコンの操作部と組み合わせてオン・オフのストローク距離0.15mm、作動力で250Nを実現した。 これにより、指で軽く触れたり、軽く滑らせる動作(フェザータッチ)で指の位置をセンシングでき、ノートPCなどで普及しているタッチパッドのように直感的なアナログ操作ができる。 |