高速ネットワーク用の半導体チップがイーサネットの世界で使用されている。インテルのIDF(インテル・デベロッパー・フォーラム)2002年版のロードマップ(図1)によると、現在、通信用の高速チップの種類には1.25GbpsのSerDes(サーデス)、2.5GbpsのSerDes、そして最近は、3.15GbpsのXAUI(ザウイ)というチップを使った伝送が増加している。
次の予定は、6.25Gbpsの10GbEデュアルレートXAUIとなっており、2003年の末頃に登場するという情報がある。
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ハイスピード・バックプレーン・コネクター・ロードマップ |
◆【3.15Gbpsコネクター】
本多通信工業は現在、コンパクトPCIコネクターを開発・販売しているが、こうした通信の高速化に対応するために、3.5Gbps以上に対応する新しいバックプレーンコネクター(写真1)を開発、販売を開始している。この、コネクター1ピン当たり3.5Gbpsの伝送能力のコネクターを使用すれば、10Gbイーサネットまで対応が可能(10GbE XAUIまで)である。この3.5Gbps対応コネクターは、同社が高速伝送のためのステップ1として開発したもの。
現在、市場で使われている高速伝送用コネクターは、信号端子に複雑なグランドコンタクトを組み合わせてインピーダンスマッチングをとったり、クロストークの対策を施している。
これに対し、同社が開発した3.5Gbpsのスペックのコネクターは、ディファレンシャル端子を極限まで近づける「スタックドペアライン構造」(写真2)により、グランド端子なしで高速性能を実現した。グランドなしの構造であるため、部品点数・組立工数が削減でき、コスト低減が図れる。同一列でのペア構造をとっているため、スキューがゼロの設計になっている。さらに、ペアの雄ピンをモールディングにより一体化したことにより、端子曲がりを低減した。また、グランド端子なし構造により、コネクター挿抜力低減も図っている。
今後の展開としては、同社は、半導体チップのさらなる高速化に対応するため、ステップ2として、6.25Gbps対応コネクターを今夏に向けて開発を進めている。6.25Gbpsコネクターの基本構造は、ステップ1と同じスタックドペアライン構造を採用し、グランド端子を持たない構造。この構造で、さらに伝送特性を向上させていく。
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3.5Gbps対応バックプレーンコネクター |
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スタックドペアライン構造のコンタクト構造 |
【コンパクトPCIコネクター】
一方、コンパクトPCIバスは、近年その需要が急増し続けている。新規システムへの採用が増えていることはもちろん、既存のVMEバス・PCIバスのシステムにおいてもバス変換ボードの使用により、システムの一部へのコンパクトPCIバスの採用もその増加を助長していると考えられる。
また、コンパクトPCIは、用途としてルーターやサーバーなど、テレコム分野での増加が予測される。
本多通信工業のコンパクトPCI用コネクター「NCBシリーズ」は、コネクターのバリエーションを取り揃えていることはもちろん、コーディングキーや挿抜レバーなどアクセサリー類についても用意している。
(1)コーディングキー
コーディングキーはタイプA、110芯コネクターの中央部に装着し、3.3Vロジックボードと5Vロジックボードのスロットへの誤挿入を防止するために使用する。
その構造は、嵌合前面を8分類し、その凹凸の組み合わせにより種類を設け、プラグ・リセプタクルの凹凸が干渉しない組み合わせが可能となる。
IEC規格61076―4―101では70種類を規定し、それぞれ色を変えて区別しているが、コンパクトPCIでは2種類が規定されている。
(2)挿抜レバー
本多通信工業では、ドータボードをスロットに抜き差しする際に使用するNCBコネクター用挿抜レバーを開発した。以前からNTTのHiPAS実装用の挿抜レバーを共同開発した実績を生かし、さらに機能向上を図ったタイプである。このレバーは、FCC規格クラスAをクリアするために基板全体を正面板で覆い、シェルフにネジ止めできる形状とし正面板の切り欠きを最小限にとどめた。
レバーの小型化に伴う機械的強度不足はダイカスト化により解消。
また、トグルスイッチの操作機能についても、レバーの軸の回転をクランク機構により、スライド運動に変換する構造を用い、正面板の内部で行えるようにしている。
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