小型メモリーカードは、映像・音楽・情報といったデジタルコンテンツを保存したり、インターネットなどからダウンロードして楽しむ、デジタルネットワーク社会に重要な役割を果たしている。
ここでは、SIMカード用、メモリースティック用、SDメモリーカード用、数種類のカードに対応したコネクターの製品紹介を行う。
◆SIMカード用コネクター (写真1)
(1)カードのガイド用のフレーム付き。
(2)カードの挿入方向
従来の長手方向タイプに加え端子の接点形状を工夫して横スライド挿入に対応したタイプもある。
(3)Pbフリー対応
絶縁体は、高耐熱性樹脂を使用しており、Pbフリーにも対応可能。
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SIMカード用コネクター |
◆メモリースティック用コネクター (写真2)
(1)カードのイジェクト方式は、スライドおよびPush(ロック)/Push(イジェクト)タイプの2種類。
(2)低背・省スペースを実現(コネクター高さ3.7mmでFPCに実装)
(3)カード無理抜き、逆差し防止機構付きで振動、衝撃によるカード抜けに強い。
(4)カード検知用スイッチ付きタイプもある。
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メモリースティック用コネクター |
◆SDメモリーカード用コネクター (写真3)
(1)実装高さは、2.9mmの低背タイプ
(2)カードのイジェクト方式はPush(ロック)/Push(イジェクト)タイプ
(3)カードロック機構付きで、振動によるカード抜けに強い
(4)カード検知、ライトプロテクト用スイッチ付き。
また、スタンドオフ、リバース・タイプも開発中。
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SDメモリーカード用コネクター |
◆ 3in1コネクター (写真4)
(1)カードスロットは2カ所に分かれており、上段のスロットにはSmartMedia カード、下段のスロットにはMemory StickまたはSD(MMC)カードが挿入可能。
(2)形状が異なるカードが挿入されることで起こり得る、端子接点部の座屈やカードの破損は、独自の端子保護機構で防止。
(3)基板との装着強度をアップする補強金具付き。
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3in2コネクター |
◆メモリーカード用コネクターの設計ポイント
各種メモリーカード用コネクターの開発にあたり、薄型・小型・軽量化を実現するため、コネクターの剛性、ハウジングの反りや熱変形など、さまざまな課題を解決する必要がある。
ここで考慮したポイントをいくつか紹介する。
・ハウジング
薄型、小型、軽量化に対応すべく、各部分の肉厚を非常に薄肉にするため、ウェルド強度、成形材料の流動性、成形後の反りやリフロー時の熱変形などの問題点が考えられる。通常、SMT実装製品に使用されているコネクターのハウジング材料として、LCP、PPS、PA6T、PA9T、46Nylonなどのエンジニアリングプラスチックがあるが、当社では、その中から最適な材料を選定・試作し、さらに成型方法、製品形状の最適化を行うことにより、これらの問題点を克服している。
・コンタクトの設計
コネクターを薄型化するとコンタクトのばねスパン長さやたわみ量に制限が出てくる。
最適な接触信頼性を確保するためその設計に、CAE解析用ソフトウエアや3D CADを駆使することにより、コンタクトの適性形状を決定するとともに最適なばね材料を選定し、十分な接触信頼性を維持している。
・コプラナリティー
コンタクトの板厚方向にビート形状を設け、端子穴とのクリアランスをなくし、コプラナリティーの向上を図る。また、薄型化のためハウジングとコンタクトを一体成型し、薄肉でもコンタクトを十分な強度で保持できるようにしている。
この場合、樹脂の成型圧力によるコンタクトの変形防止のため、形状の最適化、金型構造を検討しコプラナリティーの安定を図っている。
◆今後の展開について
○環境対策(Pbフリー)を考慮した製品化を図るために、ハンダ付け部のメッキの種類、濡れ性、接合性およびハウジング材質の耐熱性を検討していく。
○1Slotに異なった種類のカードが挿入(嵌合)可能なコネクター(複合コネクター)のレパートリー拡充をはかる。
○今後の低価格化に対応できるよう、品質・生産性の向上を生産技術、品質管理部門とで検討を重ねていく。
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