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VC-TCXO-208CとVC-TCXO-212C |
キンセキは2.5世代、3世代のGPS機能付き携帯電話用チップセットの要求に対応するTCXO(温度補償型水晶発振器)の開発を完了した。
昨今、2.5世代および第3世代の携帯電話向けチップセットはBluetooth、MP3などの機能を含んだ物が主流となる方向にあり、GSM、CDMA方式用として各チップセットメーカーが開発にしのぎを削っている。なかでもCDMA用チップセットは、斬新な機能としてGPSを応用した位置検出機能を有している。
北米ではすでにGPS機能は同時多発テロの影響もあり、携帯電話に対する必須の機能となりつつある。
GPSは携帯電話用、カーナビケーション用ともにアラン分散や位相雑音に関する要求が高く、加えて最近は新たな仕様として温度特性リニアリティー(±0.15ppm/度C)に関する仕様も主だったCDMAチップセットメーカーから追加されてきた。
キンセキは長年CDMAチップセットメーカーと培ったノウハウをいち早くそれらの要求に投入し、TCXOの形状トレンド(図1)を構築している。
TCXOの小型化形状トレンドを追求する上では、ICタイプへの移行は避けて通れず、アナログタイプからの移行時にアラン分散特性、位相雑音特性が劣化し、端末設計の上で設計者がその劣化分を見越した余裕度をとる必要があった。
また、GPSは基準信号源の安定度が位置精度にダイレクトに影響を及ぼすため、端末設計者に対する自由度を制限してしまう傾向にあった。
そこで、弊社ではTCXOに使用するICの改善、水晶振動子設計の抜本的見直しを実施し、GPS対応のチップセットの要求に100%対応したICタイプTCXOの開発に成功した。
アラン分散特性、位相雑音特性(図2、3)の要求に対応する一方法として、ハンダを多用するアナログTCXOの技術を応用する場合もあるが、近年のコンシューマー市場における鉛フリー化の要求は日々強まってきておりTCXOに関しても例外ではない。
弊社は独自の技術であるWサイドパッケージ(通称:Hパッケージ)を用いることにより、すでに完全鉛フリーを実現済みである。
図4にICタイプの水晶発振器の構造および特徴をまとめた。一般的に、一体型はその長期的周波数安定と水晶振動子の検査工法に、分離型は部品代を含めたコスト対応力と鉛フリー化のトレンドに対し不利であるといわれている。
Hパッケージ構造はその両問題点に対する回答であるとともに、さらなる小型化への要求にも柔軟である。
移動体向けTCXO市場は2002年にかけて端末メーカーの高機能化、高密度実装化の要求に対応すべく、さらなる小型化の要求が予想されている。
そこで、弊社はWサイドパッケージを応用した小型化技術、高精度IC技術、水晶振動子小型化技術を水平展開し、現在量産中のVCマイナスTCXOマイナス208C3(5.0×3.2×1.5mm)に加え、さらに小型化を進めたICタイプVCマイナスTCXOマイナス212C3、4(4.0×2.5×1.2mm)についても、同等以上の性能の実現と量産化が可能となった。さらなる小型化も検討中である。
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Trend of VC-TCXO volume(cc) |
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アラン分散特性 |
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Phase noise |
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“H構造”の特色と他構造との比較 |
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