三菱電機はこのほど、携帯電話など小型表示装置向けに、見る人の左右の目に対応する映像を交互に照射する方式を採用した「スキャンバックライト方式立体LCD(液晶ディスプレイ)」を開発した。
携帯電話の小型LCDは高性能化が進み、高精細化や色再現性向上に加え、最近は立体表示機能への期待が高まっている。すでに実用化されている立体表示LCDは横方向の解像度が平面表示に比べ半減したり、斜めから見た場合に二重像や凹凸感が逆転して見えないという問題があった。
同社が開発したスキャンバックライト方式立体LCDは、2つの光源を液晶の裏側に置いている。そして見る人の左右の目に対応する1対の光源を交互に点滅させ、これと同期して左右の目にそれぞれ対応する視差画像を従来比2倍の120Hzの速度で書き換え、高速応答速度の液晶パネルに表示する。同社ではLCDの応答速度改善のためにフィードフォワード制御による過電圧駆動技術(FFD)を開発し、この技術を応用し、高速書き換えを可能にした。そして時分割視差画像方式により制御、これにより凹凸逆転現象などの発生を抑え、既存の平面表示LCDと同じ解像度で立体表示を可能にした。
また、新たに考案した両面プリズムシートにより、正面から左右20度までの角度まで異常像が見えないようにしている。立体視が可能な領域をはずれた角度からは片方の目に対応した画像が見え、正常な平面画像として認識される。この特性を生かして、電子メールの本文と添付写真の2画面を同時に表示して画面を傾けるだけで切り替えるといった用途も可能になる。
今回開発の立体LCDは、30〜40cmの距離から見る場合の小型表示装置に適しており、同社では携帯電話など小型携帯端末への搭載を予定している。
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スキャンバックライト方式立体LCDの概念 |
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構造と異常光の発生角度 |
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