NEC
電気二重層コンデンサー

　NECはこのほど、電気2重層コンデンサー「ハイパーキャパシタ」で2タイプの新製品を開発した。新製品は小型、薄型、低ESR（等価直列抵抗）を実現したタイプとハイパワータイプ。ハイパワータイプはすでにサンプル出荷を開始。小型タイプは12月からサンプル出荷、99年4月から量産を開始する予定。

　小型、薄型タイプは活性炭電極の低抵抗化技術を展開し、高導電率の構成部材を開発、さらにキャパシタ単1セルを0.25ミリメートルと薄くする技術の確立によって実現した。サイズは40ミリメートル角×5ミリメートル、2.4-10V定格で0.1-1Fをカバーする。また、ESRは約100Ωを実現。用途としては（1）電源の平滑コンデンサーに並列に接続し、電源の負荷変動に対応（2）携帯機器における電池電圧の変動を吸収し、電池の充電電荷の有効利用（3）コンピューター市場におけるCPUなどの電流変動の大きな回路における電圧変動吸収に対応する--など、特に電源の負荷対応用途に期待する。

　一方、ハイパワー用はエンジンのセルモーター駆動など、瞬間的に大電流の必要な用途に適したもので、活性炭焼結体電極の薄型化と内部の細孔の制御に成功した。今回、サンプル出荷を開始したのは14V/80Fで、10ミリΩという低ESRを実現。パワー密度は1kW/キログラムと高く、最大電流として400Aの大電流放電が可能。また、充電速度も従来品の数分オーダーからわずか数秒に短縮。100Aの大電流充放電で少なくとも5万回の繰り返し駆動が可能なことを確認している。外形寸法は300×75×170ミリメートル、重さは4.5キログラム。

　なお、これらの電気2重層コンデンサーは6日から大阪で開催されるエレクトロニクスショー'98に出品する。