水晶振動子と温度補償機能付き高精度RTC搭載の16ビットマイコン

セイコーエプソンのマイコン

　セイコーエプソンは水晶振動子と温度補償機能付き高精度リアルタイムクロック（ＲＴＣ）を搭載した低消費電力１６ ビット フラッシュメモリー内蔵マイコン「Ｓ７Ｃ１７Ｍ１１」を開発、サンプル出荷を開始した。１７年１月に量産出荷を開始し、当初月産３０万個を予定。

　スマートメーターをはじめ、マイコンが組み込まれる機器の中には過酷な環境下で正確な計時を求められる機器が少なくない。新製品は、水晶振動子をマイコンのパッケージ内に組み込んだマイコンで、同社の水晶事業と半導体事業の強みを生かし、屋外のスマートメーターなど過酷な温度環境下でも正確な計時をユーザーがより効率的に実現できるように開発したもの。

　新製品は、自社の安定した品質の水晶振動子をマイコンのパッケージに内蔵したことに加え、温度変化による周波数のずれを都度検知して補正する技術を開発して搭載した。これにより０―５０度で月差１０秒以内、３０―７０度で月差１３.２秒以内、４０―８５度で月差２６.４秒以内の高精度を実現。さらに１チップ化したことによって、従来必要であった調整作業が不要になることから、ユーザーの開発工数や部品点数の削減に貢献する。

　また、フラッシュメモリー、１２ ビット Ａ／Ｄ変換器、２４０セグメントの表示が可能な液晶電源を内蔵した液晶ドライバーなどの周辺回路も搭載した上で、ＲＴＣモードでの消費電流は２.２５ＭＡ（標準値）を実現している。