入力同相範囲の広い16ビット5メガsps逐次比較レジスタA/Dコンバータ

　リニアテクノロジーはレール・トゥ・レール入力同相範囲の広い１６ビット、５メガｓｐｓ逐次比較レジスタ（ＳＡＲ）Ａ／Ｄコンバータ（ＡＤＣ）「ＬＴＣ２３１１−１６」の販売を開始した。

　新製品には現在、コマーシャル、インダストリアル、車載（マイナス４０−１２５度）の温度グレードがある。今年中にこのファミリーのほかのデバイスの販売を開始する予定。１千個時の参考単価は９.９５ドルからで、リニアテクノロジー国内販売代理店経由で販売される。

　ＬＴＣ２３１１−１６は柔軟な差動入力を備えており、ナイキスト周波数までのアナログ信号に使用できる。このため、様々なタイプの信号を直接変換しながら、２.２メガヘルツの入力信号で８１.６デシベルの良好な信号対ノイズ比（ＳＮＲ）を維持し、同じ高速入力信号で８５デシベルの高い同相除去比（ＣＭＲＲ）を達成する。

　チャネル間の絶縁を必要とする計測および医療用アプリケーションでは、フロントエンド回路を個々に絶縁するためにシングル・チャネルＡＤＣがよく使用される。このような場合、ＡＤＣチャネルごとに個別の信号調整回路と絶縁電源が必要。この回路は全てのチャネルで複製されるため、回路内で行われるあらゆる簡素化がシステムの複雑さに大きな影響を与える。

　ＬＴＣ２３１１−１６は柔軟な差動入力を備えており、入力同相範囲が広いため入力信号調整の設計を簡素化。必要な部品数が大幅に減り、システムのコスト、消費電力、回路基板の面積が削減できる。