高速演算処理の電子回路基板向け高効率の電源モジュール

ザインエレクトロニクスの ＴＨＶ８１８００

　ザインエレクトロニクスはこのほど、高速演算処理能力が必要とされる電子回路基板電源向けに、同社独自のＴｒａｎｓｐｈａｓｅ技術を搭載した電源モジュール新製品ＴＨＶ８１８００の量産サンプルキットを用いて、第２四半期から量産開始する。

　ＴＨＶ８１８００は大容量出力電流に対応しつつ電源制御用ＩＣ、Ｐｏｗｅｒ　ＭＯＳＦＥＴ、インダクタおよびそのほかのディスクリート部品を一つのパッケージに内蔵しており、通常の関連部品で電子回路基板を構成した場合に比較して、実装面積を約半分に縮小できる。

　モジュール化した電源を採用した場合、電源設計や評価にかかる設計工数を削減でき、周辺部品点数の削減によるコスト低減が可能であり、また、長期信頼性の向上が期待される。

　通常の類似の電源システムでは、電源を取り巻く機器内の負荷が急変した場合、電源電圧がその負荷急変に追随できず、大きな電圧変動（電圧ディップ）が生じ、デジタル回路の誤動作や最悪の場合は負荷を破壊する恐れがある。ＴＨＶ８１８００を用いた場合には、負荷急変に対して瞬時に電源電圧を追随させることで、電圧ディップの発生を最小限に抑制し、電源トラブルを未然に防ぐことが可能となる。

　電源システムの消費電力削減という課題においても高い電力変換効率を提供でき、例えば４Ａ駆動時の変換効率では、通常の電源システムと比較して約２％程度向上させることに成功した。

　また、同社独自の電源シーケンス制御技術Ｐｏｗｅｒｌｉｎｋｅｒを搭載している。複数の電源出力が必要な場合にそれぞれの電源同士をリンクさせることで、各電源レールの立ち上げや立ち下げの順番を自由自在に設定できる。