複数のモーターを同時にインバータ制御する32ビットマイコン

複数モーター制御に適した３２ビット マイコン「ＲＸ２４Ｔグループ」

　ルネサス　エレクトロニクスは産業機器、ＯＡ機器、白モノ家電に搭載される複数のモーターを同時にインバータ制御する３２ビットマイコン「ＲＸ２４Ｔグループ」を６品種開発。今後、順次発売する。量産は３月から開始、１７年７月には月産５０万個となる計画。

　サンプル価格は８０ピン、１２８キロバイトフラッシュメモリー品「Ｒ５Ｆ５２４Ｔ８ＡＤＦＮ」で４００円／個（税別）。

　同製品はエアコン、洗濯機、食器洗い機などの白モノ家電製品、汎用インバータＵＳＰ（無停電電源装置）、冷暖房空調設備などの産業機器および複合機、プリンタなどのＯＡ機器のブラシレスＤＣモーター制御に最適だ。

　ＲＸ２００シリーズのモーター制御用途向け第１弾製品である「ＲＸ２３Ｔ」の演算能力、モーター制御周辺機能を強化し、ラインアップを拡充したもの。

　１モーター用のＲＸ２３Ｔと複数モーターに対応するＲＸ２４Ｔに向けて「２４Ｖモータ制御評価キット」の提供も開始する。キットには評価ボード、ブラシレスＤＣモーター、センサーレスベクトル制御ドライバーソフトが付属しており、即時にモーター制御の評価ができる。

　各国の省エネ規制に加えてモーターの高効率化規制の法整備が進み、高精度かつ高効率なインバータ制御の重要性が増している。

　また、ＯＡ機器、小型家電などのステッピングモーター、ブラシ付きＤＣモーターからブラシレスＤＣモーターへの採用が活発化しているため、新規市場へ製品を早期投入したいが開発工数がない、モーター制御のノウハウがないという課題や、各種機器の小型化が進んで基板の設置スペースが縮小され、複数の制御基板を統合するための部品点数削減も大きな課題になっている。

　このような省エネルギー化、制御の高精度化、基板面積の縮小、開発期間の短縮といった要求に対して、ルネサスは複数のモーターを１チップで制御可能となる高速、高機能な３２ビットマイコンを開発した。

　同社はＲＸ２４Ｔにより産業、ＯＡ、家電分野におけるインバータ制御の拡大を推進し、今後も省エネ化に貢献する。