160120_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
1月20日 |
160120_01 |
東レ |
電子材料 |
電子材料 |
一般産業用 |
世界初3Dプリンタ(粉末床溶融結合装置)対応のPPS樹脂
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3Dプリンタで作製した自動車部品例 |
東レは、世界で初めて自動車などの用途に、3Dプリンタ(粉末床溶融結合装置)に対応したPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂微粒子「トレミルPPS」の開発に成功した。
同社は2月に本製品の販売を開始し、16年度から自動車や航空宇宙、産業・医療用機械など幅広い用途に向けて本格的に展開する。
航空機やロボットなどの部品製造で、3Dプリンタを用いデータから最終製品を直接製作する工業用DDM(ダイレクト・デジタル・マニュファクチュアリング)が広がっている。
DDMは、金型が不要で、製造時間やコストの大幅削減につながり、少量多品種への対応が容易であるほか、射出成型では難しい複雑形状の部品の作製も可能だ。
DDMに用いられる3Dプリンタの方式には、主に「粉末床溶融結合法」と「材料押出法」がある。
粉末床溶融結合法は、造形物の高い寸法精度と強度を実現するとして、今後の急速な拡大が見込まれている。
従来、粉末床溶融結合方式の3Dプリンタの造形素材は、主にナイロン樹脂の微粒子が使用されていたが、耐熱性や強度などに課題があり、展開用途には限界があった。
同社は高機能PPS樹脂トレリナをベースとして、独自のポリマー設計技術により、粉末床溶融結合造形に最適な流動性やポリマー特性などを持つPPS樹脂微粒子トレミルPPSの開発に成功した。
同製品は、アスペクト(東京都稲城市、早野誠治社長)が開発中の高耐熱樹脂対応3Dプリンタ(粉末床溶融結合装置)への採用が決定した。
同社は引き続き、ポリマー設計技術や微粒子化技術の高度化や、炭素繊維との複合化などにより、さらに強化グレードの開発に取り組み、多様な材料をラインアップすることで顧客のニーズに応えていく。
PPS樹脂は耐熱性や耐薬品性、機械的強度、難燃性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックで、自動車の電装部品や電機・電子機器、OA機器、住設関連部品などに使用されている。
なお、トレミルPPSは、27―29日に東京ビッグサイトで開催される「ナノテク2016(第15回ナノテクノロジー総合展・技術会議)」に出展予定。
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