低内部インピーダンスで低リーク電流のチップ型電気二重層キャパシタ

ＳＩＩのチップ型電気二重層キャパシタ 「ＣＰＸ１００８０シリーズ」

　セイコーインスツル（ＳＩＩ）は０.５Ωおよび１.５Ωの業界最小クラスの内部インピーダンスと、１０ｎＡ以下のリーク電流を実現した高容量チップ型電気二重層キャパシタ「ＣＰＸ１００８０Ｃ１０４Ｆ」と「ＣＰＺ１００８０Ｃ１０４Ｆ」、および急速充電対応チップ型電気二重層キャパシタ「ＣＰＸ１００８０Ｃ４０２Ｆ」を開発した。８月からサンプル出荷を開始し、１６年７月から量産出荷の予定。

　電気二重層キャパシタは、充放電により電解液中のイオンが吸着・脱着することで電気を蓄える蓄電素子。今回開発したＣＰＸ１００８０Ｃ１０４ＦおよびＣＰＺ１００８０Ｃ１０４Ｆは、小型でリフロー実装が可能なチップタイプでありながら、内部インピーダンスを０.５Ω（ＣＰＸ１００８０Ｃ１０４Ｆ）、１.５Ω（ＣＰＺ１００８０Ｃ１０４Ｆ）まで低減した。これにより数百ｍＡ（数百ｍＷ）の高出力放電を実現する。

　また、リーク電流は１０ｎＡ程度で、これによりエナジーハーベスト（環境発電）素子などによる数μＷ程度の微弱な起電力でも充電が可能。

　さらに短時間充電での電圧上昇を可能にした急速充電対応チップ型電気二重層キャパシタＣＰＸ１００８０Ｃ４０２Ｆ（静電容量４ｍＦ）も用意した。

　これらは、完全密閉のセラミックパッケージによって長期信頼性も確保。サイズは１０×８×１.９ミリメートル。

　ＣＰＸ１００８０Ｃ１０４Ｆは、２.５Ｖタイプで高容量（１００ｍＦ）で内部インピーダンス０.５Ω。瞬間的な大電流放電に最適。瞬間停電対策のための電源バックアップ。

　ＣＰＺ１００８０Ｃ１０４Ｆは、３.３Ｖタイプで高容量（１００ｍＦ）。３Ｖの電圧が必要な瞬間停電対策、エナジーハーベスト蓄電への応用に対応。

　ＣＰＸ１００８０Ｃ４０２Ｆは、２.５Ｖタイプで低容量（４ｍＦ）の仕様。エナジーハーベストによる発電の蓄電素子として短時間での電圧上昇を可能にしている。