4-6セルのEDLC対応の電圧均一化用１チップEDLCセルバランスIC

ロームのＥＤＬＣセルバランスＩＣ

高電圧設計に対する容易な拡張性

　ロームは業界で初めて１チップで４−６セルの電気二重層キャパシタ（ＥＤＬＣ）の電圧を均一にできるＥＤＬＣセルバランスＩＣを開発した。ＭＡＸ２４Ｖの動作電圧を確保できれば、何セルでも電圧制御できる。

　セルバランス電圧を２.４−３.１Ｖの範囲で０.１Ｖごとに入力端子で設定できるため、様々なＥＤＬＣに対応できる。産機、建機の回生蓄電システムや瞬停装置、ＵＰＳなどの電源安定化装置、ＥＶ・ＨＥＶ車やアイドリングストップ車などの回生蓄電システム用に供給する。

　１１月からサンプル出荷を開始し、１５年１月に月産１万個から量産に入る。サンプル価格１千円／個。ネット商社販売も行う。まずコアスタッフとチップワンストップが販売を始める。前工程をローム浜松（浜松市）、後工程をローム　エレクトロニクス　フィルピンで行う。

　ＥＤＬＣを高電圧化するには直列に接続するが、セルごとに電圧が微妙に異なり、寿命低下、信頼性低下の原因になっていた。そのため、ＥＤＬＣバランスＩＣやディスクリート部品でセルの電圧を均一にしている。

　しかし、ＥＤＬＣバランスＩＣはこれまで２セルのＥＤＬＣの電圧制御しかできず、多セルにはコンパレータ、ＦＥＴ、抵抗器など２０個以上のディスクリート部品を使用して対応していた。

　新開発のＥＤＬＣセルバランスＩＣは、０.３５マイクロメートルＢｉＣＤＭＯＳプロセス、３０ピンＨＴＳＳＯＰを採用。シンプルにバランス可能なシャント抵抗方式を用いた。１個のセルバランスＩＣと６個の抵抗器だけで４−６セルＥＤＬＣに対応できる。