121228_02
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
12月28日 |
121228_02 |
日立電線 |
半導体素子 |
ディスクリート |
一般産業用 |
モーター向け部分放電発生を抑制する高PDIV性エナメル線
日立電線は、モーターのさらなる長寿命化、小型化、高出力化のために、部分放電の発生を抑制する高PDIV(パトリアル・ディスチャージ・インセプション・ボルテージ)性エナメル線を開発した。
ハイブリッド自動車(HEV)や各種産業機器用のインバータ駆動モーターは、急峻でかつ高い電圧(インバータサージ)が加わるが、このインバータサージ電圧がモーターコイル用のエナメル線の部分放電開始電圧を超えた場合、エナメル線間で部分放電が発生し、絶縁被膜が浸食することで、モーターが絶縁破壊される場合がある。このため、部分放電に耐えられるエナメル線や部分放電が発生しにくいエナメル線が求められていた。
同社グループは絶縁被膜に有機/無機ナノコンポジット材料を採用し課電寿命特性を飛躍的に向上した耐インバータサージ性エナメル線を開発し、HEV駆動モーターをはじめ多くのインバータ駆動モーターで採用実績を持つ。
これらの実績をベースに今回、モーターの一層の長寿命化や小型化、高出力化実現のために部分放電の発生を抑制する耐PDIV性エナメル線を開発した。
同開発品は、低誘電率化した高耐熱材料を絶縁被膜に採用することで、PDIVの高いエナメル線の開発に成功した。低誘電率絶縁被膜にはポリエステルイミド系、ポリアミドイミド系、ポリイミド系の3種類の材料を適用した高PDIV性エナメル線をラインアップした。
特に、ポリイミド系の高PDIV性エナメル線の部分放電開始電圧は、同社汎用ポリアミドイミドエナメル線(AIW)の部分放電開始電圧に対し、13%向上させたことで、エナメル線の絶縁被膜の薄膜化が可能となった。この結果、エナメル線の長寿命化とともに占有率が向上し、モーターの信頼性向上や小型・高出力化に貢献する。
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