3つのインバータ制御に対応するマイコン「RX63T」（多ピン版）

　ルネサスエレクトロニクスは、白モノ家電や産業機器向けマイコンとして、三つのインバータ制御に対応する「ＲＸ６３Ｔ」（多ピン版）を今月末からサンプル出荷する。最大１４４ピン、最大５１２キロバイトフラッシュメモリー搭載品をそろえる。量産は１３年５月から。

　新製品は、ルネサスのミドルクラス向け汎用マイコン「ＲＸファミリ」の中で、タイマー、アナログ機能を重視したＲＸ６２Ｔ／同６３Ｔグループの最新製品。０９年から展開するＲＸ２Ｔが２インバータ制御、１１年発売のＲＸ６３Ｔ（小ピン版）が１インバータ制御対応だったのに対し、新製品は３インバータに対応する周辺機能を搭載した。

　ＲＸ６２Ｔとピン互換の１００ピン、１１２ピン品に加え、１２０ピン、１４４ピンをラインアップ。メモリー容量もＲＸ６２Ｔに比べ２倍となるフラッシュ５１２キロバイト／ＲＡＭ４８キロバイトまでカバーする。そのほか、同Ｔグループでは初のＵＳＢの搭載など、シリアルインターフェイス機能も強化した。

　用途は、ブロアーモーター、ドラムモーター、ヒートポンプと３インバータ制御が要求される洗濯乾燥機や、エアコン室外機など白モノ家電を見込む。
　また、多ピン、大容量メモリー搭載によって、ＡＣサーボ、工作機械などの「産業機器分野でも応用できる」とＭＣＵマーケティング企画部の前田昇平担当部長は話す。

　ＲＸ６３Ｔグループは、白モノ家電で欧州家電安全規格「ＩＥＣ６０７３０」取得を容易にするフェールセーフ機能を搭載。外付け部品削減に貢献するプログラマブルゲインアンプやウィンドウコンパレータも内蔵している。