アームのCPUコア搭載の汎用組込MPU「RZファミリ」

　ルネサスエレクトロニクスは、英アーム社のＣＰＵコアを搭載した高性能の汎用組込みプロセッサ（ＭＰＵ）「ＲＺファミリ」の開発を発表し、１３年４―６月から出荷する。また、３２ビット汎用マイコン「ＲＸファミリ」で４０ナノプロセス採用品も同時期に出荷する。

　ＲＺファミリは、動作周波数３００メガヘルツ　を超え、リナックスなど汎用ＯＳが使用できる汎用ＭＰＵとして投入。第１弾製品の「Ｎシリーズ」「Ａシリーズ」では「ＡＲＭ　Ｃｏｒｔｅｘ―Ａ９」コアを搭載し、Ｎシリーズで８００メガヘルツ　、Ａシリーズで４００メガヘルツ　の高速動作を実現した。製造プロセスは４０ナノプロセスを採用している。

　Ｎシリーズでは、ＵＳＢ３.０、イーサネットなどのＩ／Ｏ機能を備え、組込み機器の接続機能強化用ＭＰＵとして展開。Ａシリーズは、ヒューマンマシンインターフェイス機能向けＭＰＵでＯｐｅｎＶＧ１.１対応グラフィックス機能を備える。

　また、同社は産業機器、家電など向けの３２ビット汎用マイコン「ＲＸファミリ」で、４０ナノプロセスを用いた「ＲＸ６００（高性能版）／ＲＸ７００シリーズ」も投入する。フラッシュ内蔵マイコンとして世界最高水準の２４０メガヘルツ　動作性能を実現する。従来の最高性能シリーズ「ＲＸ６００」（９０ナノプロセス）では最高１００メガヘルツ　動作だった。

　これによりＲＸファミリは、動作周波数で３２メガヘルツ　から２４０メガヘルツ　まで、フラッシュ容量で８キロバイトから８メガバイトまでをカバーする汎用マイコン製品群となる。

　ＭＣＵシステム統括部渡辺照一統括部長は「ＲＺファミリ投入に伴い、現状数％程度の世界ＭＰＵ市場でのシェア、出荷から５年程度で１０％以上に高めたい」と話している。