超低VF実現の小型ショットキーバリアダイオード

　ロームは、２５１３サイズで順方向電圧（ＶＦ）０.４６Ｖ―順電流（ＩＦ）２.０Ａ（平均整流電流ＩＯ＝２Ａ）など業界トップクラスの超低ＶＦを実現した小型ショットキーバリアダイオード（ＳＢＤ）の新シリーズ「ＲＢＥシリーズ」を開発し、量産を開始した。３月に月産５００万個体制を整え、９月に同１千万個体制に倍増。小信号ＳＢＤでグローバルシェア１５―２０％のトップメーカーとして、スマートフォン、タブレット端末などのモバイル機器用や液晶パネル用の需要増に応える。

　新シリーズの小型ＳＢＤ「ＲＢＥシリーズ」は、これまでのＳＢＤと同じメタル材料を使いながら新製造装置でメタルのつけ方、熱処理などの製造プロセスを見直し、メタルの直列抵抗を減らして電流効率を大幅に改善した。

これらにより、ＶＦを従来同パッケージ品に比べ約３２％低減、業界トップクラスの超低ＶＦ　を実現。順方向電流の印加によって生じる発熱を大幅に抑え、同パッケージでも大電流保証を可能にした。大電流保証の実現で、同電流定格なら従来パッケージ品よりワンサイズ小型のパッケージで設計が可能。実装面積で最大約８０％削減できる。

■１００６品加わる
新シリーズから新たに加えたパッケージサイズ１００６品（下面電極タイプ）「ＶＭＬ２」（ＶＦ―ＩＦ＝０.５３Ｖ―０.５Ａ、ＩＯ＝０.５Ａ）をはじめ、１６０８品「ＥＭＤ２」（０.５３Ｖ―０.５Ａ、０.５Ａ）、２５１２品「ＵＭＤ２」（０.４３Ｖ―０.５Ａ、０.５Ａと０.４３Ｖ―０.５Ａ、０.７Ａの２品種）、２１２０品「ＴＵＭＤ５」（０.４３Ｖ―０.５Ａ、１Ａ）、２５１３品「ＴＵＭＤ２」（０.５３Ｖ―１.０Ａ、１Ａと０.４６Ｖ―２.０Ａ、２Ａの２品種）、２８２９品「ＴＳＭＤ５」（０.３９Ｖ―１.０Ａ、２Ａ）の６サイズ８品種をシリーズ化した。

サンプル価格１０―２０円。前工程はロームつくば、後工程はタイ、フィリピン、中国・天津、韓国、マレーシア５工場。後工程は同一パッケージ品を２工場で生産する体制を整備した。

今回新たに加えた１００６サイズ品は、まずマレーシアで９月から量産を開始。需要を見ながら２工場体制にする。

来春までに１００６パッケージサイズでＩＯ＝１Ａ品、２５１３サイズで同３Ａ品、０６０８サイズの超小型パッケージ品をラインアップし、ＲＢＥシリーズとして月産１５００万個体制に引き上げる計画。