121012_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
10月12日 |
121012_01 |
アナログ・デバイセズ |
ユニット |
電源・アンテナ・高周波部品 |
一般産業用 |
シャント抵抗による電流センサーを用いた電力メーターを実現する完全絶縁型ADユニット
|
米アナログ・デバイセズ社(ADI)は、シャント抵抗による電流センサーを用いた電力メーターを実現する完全絶縁型ADコンバータを開発し、販売を開始した。一般的な電流トランス(CT)による電流センサーを用いる場合に比べ、小型・低コスト、設計負担軽減が図れる。
開発した新しい電力メーター用ADCは、デバイス内にMEMS技術を応用した絶縁技術「iCoupler」を導入。ADC内で、測定対象である大電力の電力線側と、出力側を完全絶縁できる(絶縁電圧5kVrms/分)。
電力メーターではこれまで、電力線との絶縁を確保しながら電流を計測できるCTベースのセンサーが用いられてきた。しかし、CTベースのセンサーは、シャント抵抗に比べサイズが大きく、外部磁界からの影響を受けるため誤動作を防ぐためのシールド対策などが必要となった。加えて、温度変化によるCTの特性変化は複雑で、高度な補正技術が不可欠という課題もあった。
これに対し、開発したADCデバイス内で絶縁性を確保しているため、シャント抵抗による電流検出を可能にする。シャント抵抗の温度特性変化は一定であり、補正も行いやすく、設計も容易。シールドなどの対策も不要で「サイズ、コストの両面で、大幅な低減が可能」(ADI)。
新ADCは、2タイプあり「ADE7933」は、電力量計算IC「ADE7978」とともに使用する専用ADCで独自シリアルBUS出力を備える。もう一方の「ADE7913」は汎用のマイコン、DSPと接続するためSPI出力を搭載する。
いずれのADCも電流/電圧/温度用の三つの24ビットADCを搭載。また、絶縁型のDC―DCコンバータ「isoPower」も搭載し、1本の電源供給で動作する。2チャンネル(電流/電圧用)タイプの「ADE7932」「同7912」もラインアップする。
ADE7933/32用の電力計算IC同7978は、クラス0.5メーター向けに有効/無効/皮相電力量を計算可能。THDを含む包括的な電力品質測定も行える。
ADIは、CTベースの検出に対応した製品も含めて、電流量計測用ICで累計5億台の出荷実績を持っている。
「海外に比べて、日本での当社電力量計測用ICの認知は低い。多くの利点を持つ新製品の提案で、産業用電力計などの用途で、日本でも採用数を増やしていきたい」(ADI)としている。
|