HEMS対応機器向け小型高性能920MHz帯SAWフィルター

　日本電波工業は、ＨＥＭＳ対応の家電機器とスマートメーターなどによる、国内でのホーム・エネルギー・マネジメントに適した小型で高性能な９２０メガヘルツ　帯ＳＡＷフィルターを開発した。サンプルは対応中、量産開始は１３年１月を予定。

　新製品は、産業用途での特定小電力無線の実績を生かして、新たに一般家庭用としてのニーズを満たして商品化したもの。機種は小型、低背品（サイズ１.４×１.１×０.５５ミリメートル）と、高信頼性品（同３ミリメートル角×１.０５ミリメートル）の２種。標準周波数は９２０.１メガヘルツ　（帯域幅６.８メガヘルツ　）、９２２.５メガヘルツ　（同４メガヘルツ　）、９２４ヘルツ　（同８メガヘルツ　）、９２５.８ヘルツ　（同４.６メガヘルツ　）をそろえ、標準仕様以外のカスタムニーズにも対応する。

　国内でのホーム・エネルギー・マネジメントは、エネルギー消費の制御をするために家電機器とスマートメーター間を無線ネットワークで形成し、９２０メガヘルツ　帯を利用して国内法で許可されている１Ｗ以下の弱い電波（特定小電力無線）が使用される。この周波数帯域の近傍ではＬＴＥ携帯端末の強い電波が使われることになり、携帯端末による電波干渉を抑えてＨＥＭＳ機器とスマートメーター間での正確な無線通信を行うためには、必要な周波数のみ取り出し、不要な周波数を確実に減衰させる高性能なフィルターが必要。

　また、家電機器の無線部のモジュール化にも対応した小型・低背サイズが要求される。新製品はこれらのニーズに応えるＳＡＷフィルター。

　開発品は１０月２日から千葉・幕張メッセで開催されるＣＥＡＴＥＣ　ＪＡＰＡＮ　２０１２に出展する。