世界最小サイズで最高レベルの低位相ノイズ特性実現のTCXO

　京セラの１００％子会社、京セラクリスタルデバイス（木里重亮社長）は、世界最小サイズ、業界最高レベルの低位相ノイズ特性を実現した温度補償型水晶発振器（ＴＣＸＯ）「ＫＴ１６１２」を開発し、今月からサンプル出荷を開始する。京セラで販売する。

　同社従来品に比べ面積で４０％削減した。スマートフォンなどの携帯通信端末用基準信号源のＴＣＸＯで求められている小型化、高機能化に応えた。周波数１６.３６９／１９.２／２６／３８.４／５２メガヘルツ。

　超小型水晶振動子に合わせた微細配線プロセスのＩＣと、市場実績のあるＨ型構造を用い、外形寸法１.６×１.２×０.７ミリメートル（１６１２サイズ）の世界最小サイズを実現している。従来品同様の高精度な温度特性、ヒステリシス特性を継承した。

　また、独自のノイズ低減回路と微細配線プロセスのＩＣを採用することにより、小型でありながら位相ノイズを同社従来品に比べマイナス７ｄＢｃ（２６メガヘルツ１キロヘルツｏｆｆｓｅｔ）と大幅に低減した。

　出力をＯＮ／ＯＦＦするイネーブル／ディセーブル機能をオプション機能として搭載可能。ディセーブルとした時の消費電流を１μＡ以下と非常に低くでき、バッテリの長寿命化、環境負荷低減が図れる。鉛フリー、ＲｏＨＳ指令、欧州ＲＥＡＣＨ規則に準拠。

　▽動作温度範囲＝マイナス３０―プラス８５度Ｃ▽周波数温度特性（マイナス３０―プラス８５度Ｃ）＝プラス／マイナス０.５ｐｐｍ（２５度Ｃの周波数に対しての偏差）▽周波数偏差ｖｓ負荷＝プラス／マイナス０.１ｐｐｍ▽周波数偏差ｖｓ電源電圧＝プラス／マイナス０.２ｐｐｍ▽動作電源電圧＝１.６８―３.４５Ｖ▽出力電圧＝０.８Ｖｐ―ｐｍｉｎ（負荷１０ｋΩ／１０ｐＦ）▽消費電流（２６メガヘルツ）＝１.５ｍＡｍａｘ。