電波プロダクトニュース



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6月8日 120608_01 サムスンモバイルディスプレー 表示デバイス 液晶・プラズマ・CRT デジタル情報家電用

超高速レスポンスタイム実現の55型有機ELパネル


 【ソウル支局】韓国のサムスンモバイルディスプレー(SMD)は、米ボストンで8日まで開催されている国際情報ディスプレイ学会(SID)の展示会「ディスプレイ・ウイーク」で、低温ポリシリコン(LTPS)TFTバックプレーンを採用し、レスポンスタイムで世界最速を実現した55型有機EL(AMOLED)パネルを公開した。

 LTPS・TFTバックプレーンは、アモルファスシリコン(a―Si)TFTバックプレーンに比べ、電子移動度をより高速化できる。これを採用することで55型有機パネルは、RGBピクセルのオン・オフ切り替えを数マイクロ秒で行うことが可能となった。LCDパネルの実に1千倍の速さだ。

 ライバル企業、韓国LGディスプレーの酸化物半導体TFTバックプレーンをベースとした55型有機ELパネルは、スイッチング速度0.02ミリ秒。これと比較すると、SMDのパネルのオン・オフ切り替えは3倍速いという。

 ピクセル・スイッチング速度が高速化することで視野角は無限となり、動きの速い動画の表示にも遅延がなくなる。さらにNTSC比120%の色域を実現。

 また、SMDの55型有機ELパネルは、自ら発光するRGB有機ELセルを採用。カラーフィルターが不要なため、1.6ミリメートルという薄さを実現した。

 一方のLGディスプレーは、白色有機ELとRGBカラーフィルターを使ってRGBWカラー画像を作りだす。この結果、パネルの厚さは4ミリメートルになるという。

 しかし、SMDの手法では、まだ高い歩留まりが得られないため、製造コストが高くつくという課題も残している。

 SMDは、姉妹企業のサムスン電子が今年下半期に販売を予定している55型有機ELテレビにパネルを供給。このほか、サムスン電子のスマートフォンやタブレット端末などにも高性能パネルを提供している。

 今展示会でSMDは、オンセル技術でマルチタッチパネルを統合した4.8型型有機ELパネルも紹介した。厚さわずか1.92ミリメートル。オンセル方式でマルチタッチスクリーンを一体化したLCDパネルより、32%薄いという。



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