690V産業用/1000V太陽光発電インバータ用フォトカプラ

　ルネサスエレクトロニクスは、６９０Ｖ電源の産業用インバータや高電圧１千Ｖの太陽光発電システムのインバータ向けフォトカプラとして、安全規格（ＩＥＣ６１８００）に準拠した外形１４.５ミリメートルの長沿面距離を備えた「ＰＳ９９０５」を製品化した。

　サンプル価格は、３００円。

　産業機器用６９０Ｖ電源の強化絶縁部分は、ＩＥＣ６１８００規格上、１３.８ミリメートル以上の沿面距離が必要となる。太陽光発電システムのインバータでも基礎絶縁の１千Ｖ対応には、１０ミリメートル以上の沿面距離が要求される。

　新製品では、パッケージの樹脂充填性を工夫し、インバータのＩＧＢＴ駆動用フォトカプラとして初めて１４.５ミリメートルという長い沿面距離を達成した。絶縁電圧は７５００Ｖｒｍｓを実現している。

　従来、高電圧のインバータ用に８ミリメートルの沿面距離フォトカプラを２個必要としていた部分も１個の新製品で対応でき、実装面積も３割程度削減可能。表面実装タイプの８ピンパッケージを新たに開発、採用し、１０ミリメートルの沿面距離の高速フォトカプラとして、業界最小クラスのサイズを実現している。

　独自のＢｉＣＭＯＳプロセスを受光ＩＣに採用し、寄生容量を低減。回路電流を３ｍＡ以下に抑えながら１５０ナノ秒以下という遅延時間の短縮を実現。

　またルネサスでは、機器内部通信向け高速フォトカプラとして、同９９０５同様の１４.５ミリメートル沿面距離を誇る同９９２４も製品化した。毎秒１０メガビットの高速通信に対応している。