水道・ガスのスマートメーター向け低消費電力磁気センサー

　NECは、水道やガスのスマートメーター（電子式メーター）向けの低消費電流磁気センサー「MRUS74S」「MRUS74X」を発売した。同社は今後、３年以内に電子式のガス・水道メーター市場で世界シェア３割を目指す。

　スマートグリッドやスマートシティ化が進む中で、水道やガスのメーターも、従来の機械式から電子式への「スマート化」が図られている。電子式メーターは、メーター内に設置された磁石の回転を磁気センサーで読み取り、検針の自動化や各種管理・監視制御を実現できる。

　NECは、携帯電話などに展開してきた磁気センサー技術を応用し、スマートメーター向けの新製品を開発した。

　新製品は、サンプリング時間を1マイクロ秒に短縮し、磁気センサーの駆動電流を0.3μA以下に低減。水道、ガスメーターで要求される、10年間電池交換不要の要件を満たす低消費電力性能を実現した。磁気抵抗（MR）素子の成膜工程を改善し、磁石の回転検出感度も向上。

　同74Sは、1.0―2.5mT、同74Xは1.0mT以下という高感度を実現。感度が高いため、より小型の磁石が使用できるほか、磁石と磁気センサーの配置自由度も高まる。

　サイズは1.5×1.8×0.8ミリメートル。105度Cの環境下での動作にも対応する。