シングルチップLTEコミュニケーションプロセッサ「MP5232」

　ルネサスモバイルは、スマートフォンの価格を150―300ドル程度に抑えることを狙ったシングルチップLTEコミュニケーションプロセッサを製品化した。量産は7―9月を予定する。

　新製品「MP5232」は、マルチモードＬＴＥモデムとアプリケーションプロセッサを1チップ化した製品。最新の28ナノ半導体製造プロセス技術と民生分野などで培った設計手法を生かし、高集積化を実現した。

　アプリケーションプロセッサは、ARM　Cortex―A9を2個搭載するデュアルCPUコア構成で1.5ギガヘルツの高速動作を実現している。

　また、マルチカメラやマルチディスプレイ、フルハイビジョン画質マルチフォーマットのビデオエンコード／デコードなどをサポートする。各種ゲームや魅力あるユーザーインターフェイスを実現するグラフィックス機能も持つ。

　高速携帯電話通信であるＬＴＥに対応したスマートフォンの市販価格は、現在600ドル以上。モデム、アプリケーションプロセッサなどを一体化した新製品では、部品コスト減などにより現在の携帯電話機のボリュームゾーン価格帯に相当する150―300ドルでＬＴＥ対応スマートフォンが実現できる見通し。

　ルネサスモバイルでは、設計から端末の製品化までを通じてコンサルティングと技術サポートを提供。開発期間、製品へのチューニング、テスト時間の短縮に貢献していく。