110131_04
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
1月27日 |
110131_04 |
アナセム |
受動部品 |
発振子・共振子、振動子 |
通信インフラ用 |
携帯電話基地の基準発振器向け極小サイズのSMD-OCXO
アナセム(千葉県船橋市、松浦義昭代表取締役社長)はこのほど、携帯電話の基地局用の基準発振器に用いられる極小サイズのSMD―OCXOを開発した。
OCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator)は、回路内部のオーブンによって一定の温度に水晶を保ち、発振周波数の精度を確保する働きをする。携帯電話の端末の発振周波数精度はプラスマイナス1ppmを要求されるが、基地局の発振器はプラスマイナス0.1ppmが要求される。
プラスマイナス1ppmの場合は、各温度で周波数を補正するTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)方式が使われるが、プラスマイナス0.1ppmの場合はTCXO方式では困難なためにOCXO方式が使われる。
従来のOCXO方式は、ヒーターや発振回路を個別部品で構成していたため、体積は21×13×7.6ミリメートルが最小サイズとなっていた。今回の開発では、発振回路・温度補正回路・ヒーターをアナセム独自のCMOS技術で集積化して、7×5×2ミリメートルを実現。体積比で30分の1を達成した。
また、OCXO方式の弱点であったウオームアップ・タイムも、従来は3分かかっていたが、10秒で所定の周波数に到達する特性が得られたという。
携帯電話は、中国をはじめインド・アフリカでも急激に普及が始まり、基地局も拡大しているが、OCXOの価格と数量が満足されていない状況だ。先進国では、携帯電話の3G規格としてフェムトセル規格が進行していることから、その需要も見込めるという。
価格的には従来価格の10分の1が要求されているが、大量生産と価格低減を両立させる唯一の方法がIC化による自動化で、量産化でターゲット価格が実現可能だとしている。
同社では「各種通信機器が増大する状況で、周波数帯域が混雑している。たくさんの機器を使用するためには、個別の機器の高精度化がますます要求されてきており、携帯電話に限らずOCXOの需要が高まると思われる」と話す。
5月から月産1万個でスタートして、本年度中には月産20万個の量産体制にする予定だという。
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