LED向けに最適な銅ピン挿入基板と透明フレキシブル基板

　シライ電子工業（白井総社長）は、銅ピン挿入基板を今月、透明フレキシブル基板を１１年３月からそれぞれ量産する。銅ピン挿入基板は３８０Ｗ/ｍＫの高伝導率のため、ＬＥＤ照明用、パワーＭＯＳＦＥＴ用のほか自動車用の需要を見込んでいる。透明フレキシブル基板は、高い透明性の特徴を生かせるアミューズメント用をはじめ、スマートフォン・ディスプレイ用や屋外看板用などに供給する。

　銅ピン挿入基板は、ガラスエポキシ樹脂プリント基板に貫通孔をあけ銅ピンを埋め込んだ。銅ピンは基板裏面の放熱フィンに直接接続し、銅ピンから裏面放熱フィンに基板の熱が逃げる独自構造にした。これによって３８０Ｗ/ｍＫと業界従来品と比べて、３ケタ高い熱伝導率を実現した。

　 銅ピン径はφ０.３―φ１０.０ミリメートル。小径はドリルであけ、大径はプレスであけ、銅ピンを独自工法で隙間なくプレス挿入する。片面、両面、多層の各プリント基板に銅ピン挿入が可能。両面、多層のプリント基板が銅ピン挿入効果をより発揮できる。

　 三上工場（滋賀県野洲市）の月産能力３万５千平方メートルの両面プリント基板ラインで、今月から量産を開始した。

　 透明フレキシブル基板は、ウレタンアクリレート系ベースフィルムに銅箔を接着剤なしで貼り合わせた。レジストをスクリーン印刷し、エッチングで必要な銅配線を残す。高い透明性を確保した。部品実装でき、リジット基板同様の電流を流せる。銅箔厚み１８マイクロメートル。

　 ウレタンアクリレート系ベースフィルムは、２３０度Ｃ５秒のはんだ耐熱性を持っており、リフローに対応。裏面に支持材のＰＥＴフィルム付きは、ＰＥＴフィルムの耐熱性により、はんだ耐熱性は１８０度Ｃ５秒。製品厚みは裏面ＰＥＴなしタイプが１００マイクロメートル。裏面ＰＥＴ付きが２００マイクロメートル。

　 透明樹脂モールドした防水タイプ、ＬＥＤ光を拡散できる乳白色樹脂モールドした防水タイプも取りそろえた。生産は国内で外部委託する。

　 ウレタンアクリレート系フィルムに接着剤なしで銅箔を貼り合わせた原反だけの供給も行う。ベース厚み３５―１００マイクロメートル、銅箔厚み１８―７０マイクロメートル、製品幅２５０―１千ミリメートル、製品長さ２０―１００メートル。