101222_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
12月22日 |
101222_01 |
ローム |
半導体素子 |
ディスクリート |
一般産業用 |
600V・10Aのシリコンカーバイド(SiO)使用のDMOSFET
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ロームは、世界に先駆けてシリコンカーバイド(SiC)を使用したDMOSFET(プレーナタイプ)の量産を12月から開始した。4月に量産を始めたSiCショットキーバリアダイオード(SBD)に続くSiCパワー半導体の量産。まず、定格電圧600V、定格電流10Aのカスタム品から出荷を開始した。
来夏までに600V10A、1200V20Aの汎用品を出荷、12年3月までに600V15A、20Aと1200V10A、15Aの汎用品をラインアップする予定。SiC SBDとSiC DMOSFETを組み合わせたSiCパワーモジュールを来夏に量産する。12年3月まで にSiCインテリジェントパワーモジュール(IPM)の量産を予定。
シリコン(Si)に比べ絶縁破壊強度が約10倍、熱伝導率、バンドギャップがともに約3倍というSiCの優れた物性を生かし、高耐圧が求められるサーバー、ワークステーション、ACアダプタ、スイッチング電源などに供給する。
現在、600V10A、12A、20Aを取りそろえているSiC SBDも11年3月までに1200V20Aまで取りそろえる。今後、シリーズを増やし1千Aまでの産業用モーター、HEV/EV用をはじめ、5千Aまでの電鉄ドライブ用や5万Aまでの送配電パワーエナジーのスマートグリッドまで幅広い電源部、モーター駆動部の高耐圧デバイス需要に応えていく。
量産を開始したSiC DMOSFETは、SiC結晶欠陥による信頼性の課題や、SiC特有の1700度Cに及ぶ高温プロセスに起因する特性のばらつきなどのSiCトランジスタの量産化の課題を新開発の独自技術で解決し、世界初の量産化に成功した。
デバイス内部の電界を小さくする電界緩和構造を採用。1700度C近辺まで上がるイオン注入後やゲート酸化膜形成時の高温プロセスで独自のスクリーニング法を用い、高温プロセスでの特性劣化を抑えた。
同社では「高耐圧、高電流対応のSiCハイパワー事業で、これまでの“ミリアンペアの世界”から“キロアンペア”の世界に打って出る」(佐藤研一郎名誉会長)とSiCパワー半導体事業を業界に先駆けて立ち上げている。
09年7月にはSiC基板で世界第2位のメーカー、サイクリスタル社を買収。エピ技術では東京エレクトロン、京都大学とともに製造装置を共同開発するなど、SiC基板、エピからのSiCパワー半導体の一貫生産体制を整えた。
同時にSiCのエピ処理、前工程を行うローム・アポロデバイス(福岡県筑後市)、SiCデバイスの後工程を担当するローム インテグレイティッド システムズ(タイランド)の生産体制を増強した。
04年にSiCを使用したMOSFETの試作に成功。SBDや、これらデバイスを用いたSiCパワーモジュールを試作。米アーカンソー大、阪大、京大、本田技術研究所、日産自動車などとSiCパワーデバイスを研究開発するなど、業界トップレベルのSiCデバイス/モジュールの研究開発、試作量産に取り組んできた。
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