100920_03
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
9月20日 |
100920_03 |
日立電線 |
電子材料 |
電子材料 |
一般産業用 |
圧電定数100pm/Vで直径4インチの鉛フリー圧電薄膜
日立電線はこのほど、世界初の圧電定数100pm/Vの鉛フリー圧電薄膜を開発し、スパッタリング法により直径4インチの製膜に成功した。
圧電薄膜は、加えられた圧力を電圧に、また加えられた電圧を圧力に変換する圧電効果を持つ圧電体を薄く形成したもので、一般にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含む材料が使われる。デジタルカメラの手ぶれ検知や自動車のロール検知用などの各種センサーや、ピエゾ式インクジェットプリンタのプリントヘッド材料に使用されている。
近年、圧電薄膜使用のデバイス搭載機器の増加とともに、プロジェクタ用MEMSミラーや小型振動発電機など新用途への展開が期待されている。だが鉛フリー材料使用の圧電薄膜では十分な圧電定数を満たすのが難しく、実用化には特性改善が課題だった。
開発品はこうしたニーズに対応したもの。鉛フリーの圧電材料としてニオブ酸カリウムナトリウム(KNN)を選定。KNNは鉛フリー圧電材料の中ではバルクセラミックスで高いキュリー温度と優れた圧電特性が確認されているが、薄膜化の報告は非常に少ない。
これは優れた圧電特性が期待できるc軸配向性を有する緻密なKNN薄膜の形成が困難のため。こうした課題に対し、製膜条件の最適化により緻密で高いc軸配向性を有するKNN薄膜を実現する技術を開発。さらに製膜後の熱処理により配向とともに圧電特性を大きく左右する残留応力低減に成功した。これらにより既存PZT圧電薄膜と同等の100pm/V以上の圧電定数を達成し、世界で初めて実用レベルの鉛フリー圧電薄膜を実現した。
製膜方法は、大面積で再現性良く製膜でき、量産性に優れたスパッタリング法を採用した。
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