AEC-Q100準拠の耐圧600V車載用ゲート駆動IC5品種

　インターナショナル・レクティファイアー・ジャパン（ＩＲジャパン、東京都豊島区）は、耐圧６００Ｖの車載用ゲート駆動ＩＣ５品種のサンプル出荷を開始した。車載部品の品質規格「ＡＥＣ―Ｑ１００」に準拠している。

　 新製品５種は、高速のｎチャンネルパワーＭＯＳＦＥＴやＩＧＢＴの駆動ＩＣ。

　 高速にオン/オフするために、電力駆動電流が吐き出し時で１.９Ａ、吸い込み時で２.３Ａと大きいことが特徴。大電流で駆動できるため、ピエゾコモンレール噴射、スタータオルタネータなど、大電力用途に使うスイッチを効率的に駆動できる。

　 ＡＵＩＲＳ２１８４Ｓと同２１８４４Ｓの２品種はハーフブリッジ構成。同２１８４Ｓは５００ナノ秒（固定）のデッドタイム発生回路を搭載し、同２１８４４Ｓは４００ナノ秒から５マイクロ秒の範囲で変更できる。

　 ハイサイドとローサイドの駆動回路を２チャンネル分集積する３種は、同２１８１Ｓと同２１８１４Ｓが伝播遅延時間がオンする場合１６０ナノ秒、オフする場合２００ナノ秒で、同２１８１１Ｓはオン/オフともに１３５ナノ秒となっている。

　 ５製品とも、同社独自の高耐圧ＩＣ技術で製造。信頼性の高いモノリシックＩＣを実現するため、耐性の高いラッチを備えたＣＭＯＳ技術を採用している。駆動回路の出力には、チャンネル間の干渉を最小化するために大電流の出力バッファ段を備える。

　 ハイサイド駆動回路は、シリコンチップ上でのフローティング構造になっており、接地電位に対して最大６００Ｖのオフセット電圧を加えられる。

　 大電流のスイッチング時や短絡状態でも信頼性の高い動作を行うため、負のスパイク電圧に対する耐性も備えている。