USB3.0規格向け過電流・過電圧・ESD統合保護素子

　タイコエレクトロニクスジャパン（川崎市、江部秀社長）は、ＵＳＢ３.０規格向け過電流・過電圧・ＥＳＤ統合保護素子として「ＰｏｌｙＺｅｎ（ポリゼン）素子　ＺＥＮ０５９Ｖ１３０Ａ２４ＬＳ」を販売開始した。

　 ＵＳＢ３.０規格の利点には接続素子への供給電力量増加がある。多くの携帯機器がＵＳＢポートを充電端末とし接続の機会が増えるほど、より大きな充電電流供給や短時間充電が重要となる。一般にＵＳＢポートに接続された携帯機器は、スタンバイモードや省電力モードでは、常時、充電されていない。ＵＳＢポートは省電力モード作動時に平均２.５ｍＡの漏れ電流量までに制限するよう設計され、ＣＭＯＳを含むそのほかの回路保護でも、この制限内の動作が必要。

　 ポリゼン素子は、ポリマーによりツェナーダイオードを補強した素子で、単一素子で過電流、過電圧およびＥＳＤサージによる損傷から両素材が統合作動することで保護できる。ＺＥＮ０５９Ｖ１３０Ａ２４ＬＳは、低Ｖｚと低電力消費量にもかかわらず高い過電流抑制能力を有する。

　 ポリゼン素子を構成するポリマーの過熱保護機能により高エネルギーパルスを制限するとともに過電圧、逆接電源から効率的に防護することで、ツェナーダイオードを致命的損傷から保護する。６Ｖ以下のＶｚはポリゼン素子下流の敏感な電子機器を保護するとともに、５Ｖでの低電力消費量はＵＳＢ３.０の省電力モード要求を満たす。

　 ＵＳＢ３.０対応機器に対し、同素子はＵＳＢ入力ポートのほかＰｏｗｅｒｄ―Ｂプラグまたは付随する電力ポートに適用可能。回路設計者は大きなヒートシンクが不要で、高電力クランピングダイオードの使用をシンプルにできる。ポリゼン素子には「時間遅延」というべき過電圧排除機能は過電流保護機能と相まって過電流、ＥＳＤ、誘導サージおよび、ほかの過電圧から生じる不具合同様、不正電源接続、電源逆接および逆極性電圧印加に対し有効に保護する。

　 これらの特性により、機器の保証コスト低減や信頼性向上に寄与する。サンプル供給可能。標準納期は受注後約１０週間。